■ 馬車道上の切石を用いた軌道を牽引される最初の車両は、少なくとも2000年前にギリシャ、マルタとローマ帝国の一部に登場している。16世紀半ば レールが使用されはじめたが、鉄製ではなく、まだ木製であった。

その後、17世紀にイギリスの炭鉱で車の轍(わだち)のあとに丸太を設置して、その上に車を走らせるようになり、これが「鉄道」の始まりと思われる。また、ドイツの鉱山でも木製レールが使用され、ポイント(分岐)も備えていた。

18世紀後半、産業革命でイギリスのエンジニアであるジェームズ・ワットにより蒸気機関の動力が発明され、同時に鉄製レールが使用されはじめる。鉱山などで鉄製のレールを使った運搬が行われた。馬や人の力で運搬するようになった。

 

ワットの蒸気機関 

 

19世紀初頭 蒸気機関を用いた鉄道の研究・開発がはじまる。トレビシックが1804年に鉄製レール上を走る蒸気機関車の走行に成功したが、この頃は馬車鉄道用のもろい鋳鉄レールを使用していたため線路が折れやすく、本格的な実用化までには至らなかった。

 

 

 1804年ごろ製作されたトレビシックの14号蒸気機関

 

その後、ナポレオン戦争による軍馬の需要の増加で馬の価格が高騰し、運搬の代替手段としてレールと蒸気機関車を用いた鉄道の研究が一段と進んだ。1812年 イギリスのミドルトン鉄道がラック式鉄道を初めて採用し、山岳鉄道という新しい分野が切り開かれた。また。 1821年にギリスのヘンリー・ロランソン・パーマーがモノレールを考案した。

 

 

試運転中の1900年に雑誌に描かれた「空中鉄道」ことモノレール

 

1825年、世界初の商用鉄道が現れる。イギリスのストックトン・ダーリントン間を結ぶ鉄道が開業したのが世界初の商用鉄道とされている。以後、欧米各地で鉄道の建設が活発になり、1827年にアメリカ、1832年頃にフランス、1835年にドイツで鉄道が開業した。また、当時、イギリスの植民地化が進んでいたインドでも1853年に鉄道が開業した。

1837年 イギリスのロバート・デビッドソンにより電気機関車が製作され、鉄道界に大きな旋風を巻き起こした。最初の電気機関車といわれているのは、スコットランドのロバート・デビッドソンが1837年、アバディーンで製作したもので、電源にはガルバニ電池を使用していた。

 

初期のころの電気機関車 GE(アメリカ)製 1890年ころ

 

以後、鉄道の保安技術も飛躍的に改良が進み、1841年にはイギリスで腕木信号機が考案されている。なお、1863年、イギリス、ロンドンで地下鉄が開業したが、これは蒸気機関車を用いた地下鉄だった。

1879年 ドイツのシーメンス社が本格的な電気機関車を試作・公開。ベルリン博覧会で公開運転を行い、2年後の1881年、ベルリンで世界初の電車の営業運転を開始した。

その後、ヨーロッパとアメリカで改良が進み、鉄道網が広がるにつれ、都市部にもトンネルが建設されるようになり、電気機関車の開発が促進された。 蒸気機関車の出す有害な煙が問題となり、都市部の各自治体で蒸気機関車の使用を制限する動きが広まりつつあったこともあり、電気機関車の普及に拍車をかけた。

1912年 ドイツでディーゼル機関車が製作された。これはディーゼル=ズルツァー=クローゼ式熱機関車と呼ばれ、ディーゼルエンジンと動輪軸を直結して駆動させる方式であったが使い物にならず、エンジン自体も凄まじい轟音を発した事から苦情も大きく、1914年に廃車され失敗に終わった。

1924年にはロシア鉄道向けに大型機のGe-1形が製造された。これは現在サンクトペテルブルクの鉄道博物館で静態保存されており、現存する最古のディーゼル機関車となっている。

 


ロシア鉄道Ge-1型

 

以後、鉄道車両の主流は電気機関車とこのディーゼル機関車となり、現在に至っている。

電気機関車ははディーゼル機関車や蒸気機関車のように燃料を積載する必要はなく、その余裕を車体寸法と重量の低減や、出力の増大に充てることができる。 また、運転時に煤煙や排出ガスを出すこともないため、車内環境、沿線環境が改善される。

一方、蓄電池式電気機関車という例外があるものの、電化路線でしか運用できず、電化設備の維持のため大きなコストがかかる。 その点、ディーゼル機関車は非電化区間でも使うことができ、現在でも客車、貨物、甲種輸送などで幅広く活躍している。

日本でもJR貨物からは貨物駅周辺の環境に配慮し入換用ハイブリッド型ディーゼル機関車が試験導入されるなど、短距離けん引でありながら重要な役割をもつものもある。 (Wikipediaより引用(一部改編))


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