当サイトについて
当サイトで公表している古い写真、「ヴィンテージ写真」の出所は、そのほとんどが、「アメリカ議会図書館(Library of Congress)」です。
アメリカ議会図書館は、アメリカ合衆国の国立図書館で、世界最大規模を誇ります。1800年に合衆国議会の図書室として発足し、20世紀初頭には膨大な資料を集めた世界最大のデジタル図書館に成長しました。数千万冊の書籍や各種資料を所蔵していますが、近年急速に発達したインターネット技術を背景とする電子図書館事業を推進するようになりました。
1990年代以降に世界中の誰でもがその電子図書館データにアクセスできるようになり、歴史究者のみならず、写真の愛好家にも広く利用されるようになりました。
なぜ、こうした貴重なデータを解放しているかといえば、これはこうした歴史的な史料を、全米各地の小学校・中学校の教材に提供して、それらの生徒のアメリカ文化に対する理解を深めさせようとする目的があったためです。アメリカの文化の保存は、特に国内でも関心が高く、この分野で議会図書館に寄せられる期待は大きいようです。
保存されている資料はアメリカのものばかりではなく、他国のものも数多く含まれています。日本に関する古写真も数千点以上のものがあり、おそらく日本の政府機関などが保有している以外では最大規模のものではないでしょうか。
本サイトで掲載している写真は、これらアメリカ国会図書館の所蔵品において、管理人が写真家としての目線から見て、優れていると考えて選んだものです。被対象物の歴史的希少性や面白さ、美術的な価値や構図といったその写真のクオリティを判断して選定したものであり、これをさらに鑑賞に堪えうるよう修復しました。
掲載写真には、それぞれ写真の撮影年、場所などを極力記載しています。撮影者についても必ずしも明らかでないものが多いようですが、できるだけ記載してあります。
なお、写真の詳しい由来については、""サイクロス・ブログ"の中で紹介している場合もありますので、そちらもご参照ください。
アメリカ議会図書館HPはこちら)。
写真の修復について
アメリカ議会図書館の写真の多くは、次のような特色を持っています。
・写真が発祥した1800年代後半から戦前までの70~130年前のもの。
・多くはその時代時代のプロの職業写真家の手によるもの。
・銀塩写真が貴重品だったころの、「古写真」。これは「アート」として扱われつつある。
これらのデジタル写真データの保存には、"TIFF" という特殊な保存形式が使われています。これは、印刷などで使用される自由度の高い画像の形式です。銀塩の写真と同等、もしくはそれ以上の品質を誇るといわれ、写真の隅についた指紋や、細かいキズ、ひび割れやシミといったものまで保存・再現できます。
高精度のため、ファイル容量が大きくなるという欠点がありますが、希少性の高い古い写真の保存のためには、現時点では最適といえる保存技術です。古写真を何等かの研究に使いたい、あるいは精密な複写をしたい、という向きに歓迎されています。フィルム写真に勝るとも劣らないその精度はまさに「現代版銀塩写真」です。
TIFFデータが銀塩写真を再現できるほどのクオリティを持っているかどうかは、以下の例をみていただけるとわかると思います。左の写真では、そこに写っている人物の表情までわかりませんが、部分部分を拡大すると、その当時の人々の生き生きとした表情が読み取ることができます。
ところが、これらのヴィンテージ写真の大元は、50年以上も昔、またものによっては100年以上も前のものがほとんどであり、中にはボロボロのものもあります。
これを鑑賞目的で使う場合には、キズ、シミ、汚れ、指紋などの汚れた部分を修復する必要があります。また、古い時代のカメラを使って撮影した写真であるため、周辺の光量不足で写りが悪かったり、露出過多、あるいはその逆の露出不足もあります。これは例えば、写真がまっ黒だったり、まっ白だったりする現象です。
「湿式写真」や「乾板写真」といったまだ写真フィルムが普及していない時代の古写真もあり、これを現代版の写真として鑑賞できるようにするためには、写真一枚一枚の汚れ・痛みを修復する必要があります。またトーンを整え、コントラストや明瞭度も微調整した上で、デジタルノイズを除去してようやく、なんとか見ることができるものになります。
こうして一つひとつ丁寧に修復した写真の出来上がりは、以下の例をみていただければ、一目瞭然かと思います。
古写真の希少性
写真そのものが貴重品であった時代、そうした希少性の高いものを扱える人というのは技術的にも高いものを持ったカメラマンでなくてはなりませんでした。また、古い時代のカメラは、現在のような高速シャッターを切ることができないものも多く、レンズやフィルムの性能もイマイチでした。
ブレ、ボケは無論のこと、暗いところで撮影するためにはかなりの辛抱やテクニックが必要だったはずですが、そうした不利な条件を補いながらも、なんとか良い写真を撮ろうとしたこの時代のカメラマンの力量には脱帽です。100年以上も前の写真だというのに、ときには今現在撮影したかのような錯覚にとらわれるものもあるほどです。
また現像やプリントのプロセスでは別の専門家が入ることも少なくありませんでした。このため1枚の写真にかかる人件費はかなり高くなります。しかも、現像やプリントを作る段階ではある程度の試行錯誤が求められるため失敗することも多く、かなり熟練された技術が必要でした。
このため、中には、明らかに撮影時の露光不足や逆に露光オーバーによる失敗、また、暗室での作業におけるミスと見受けられるものが数多くあります。
しかし、完品ではないとはいえ、それでも100年以上も前のものとなると、今となっては大変貴重なものです。
こうしたヴィンテージ写真には、歴史的な出来事を記録したものも多く、例えば真珠湾攻撃やライト兄弟の初飛行といった、オリジナルとしては現存するものは数枚しかないようなものも含まれます。
さらに100年近く前の船舶や自動車、航空機、蒸気機関などは現在ではすべて形としては残っていないものがほとんどです。風景や人物・動物についても同じであり、当然今となっては、見ることのできないものばかりです。
2015年の10月には、西部開拓時代のガンマン、ビリー・ザ・キッドの希少写真が見つかり、高額で取引された、ということもありました。持ち主は、3枚の写真をたった2ドル(約240円)で買ったといいますが、そのうちの1枚が有名な無法者、ビリー・ザ・キッドのものだと分かり、500万ドル(約6億円)の値で売りに出されたということです。
仮にそれほどの金銭的な価値がないにしても、そうした古き良き時代の人、モノ、生き物を、最新のデジタル技術を駆使して復活した古写真により、我々はタイムスリップしてその時代に行くことが可能です。
「時は金なり」のことわざがありますが、古写真には時を経て凝縮されてきた多くの価値が詰まっています。
サイトポリシー
当サイトでは、基本的には写真に携わってきた多くの先駆者たちの努力に敬意を払うとともに、彼らが残した貴重なデータのうち、とくに優れたものをできるだけ再発掘する、ということを念頭に収集・修復作業を進めています。
100年も経た骨董品というものは、個人ではなかなか手に入るものではありません。ところが、写真映像ならば、誰しもが目にすることができ、その時代がどんなであったかを想像できます。日本に黒船がやってきた時代の風景や人々、乗り物や動物がいままさに目の前にあるかのように再現されるわけです。
ただ、傷んだものも多く、修復が必要であり、そのためには、管理人が自分の作品作りのために、長年培ってきた技術を使っています。その再生過程においては、ただ単に修復するだけでなく、時にはトリミングや大胆な修正を行い、新たなオリジナリティを持った「作品」として仕上げるよう、気を配っています。
こうして再生された古写真は意外にもモダンな雰囲気があります。これは徹底した修復作業によって、こうした古い写真にありがちな汚れやキズ、カビ臭い雰囲気を排除したためであり、これによって「ネオレトロ」ともいうべき空気をまとうようになったためでしょう。
「アート」といわれるような現代写真のカテゴリーに加えてもいいほどのレベルにあるといえ、当サイトのポリシーとしては、こうした修復した古写真が持つ新たな美術的価値を「再発見」することを第一義としています。
著作権について
当サイトのヴィンテージ写真は、基本的には著作権の発生しない古い写真を、さらに当サイトで加工した上でオリジナル作品としたものであり、こうした加工品には新たな著作権が発生します。
著作権とは、言語、音楽、絵画、建築、図形、映画、写真、コンピュータプログラムなどの表現形式によって自らの思想・感情を創作的に表現した著作物を排他的に支配する財産的な権利です。
その保護期間は、著作権の発生から消滅までの期間ですが、この期間において著作権は保護され、著作権者は権利の対象である著作物を、原則として独占排他的に利用することができます。
著作権の消滅時期は各国の国内法令に委ねられていますが、日本を含め、世界160ヶ国以上が締結する文学的及び美術的著作物の保護に関する「ベルヌ条約」に定められた著作権の保護期間に準拠しているところが多く、写真については、以下のように整理されます。
・著作者が明らかな写真は、著作者の生存期間および著作者の死後50年間、その著作権が保護される。
・著作者が明らかでない写真の著作権は、写真が公衆へ提供されたとき、つまりその写真が公表された時から50年で満了する。ただし、この期間内に、著作者が明らかになった場合には、著作権はその著作者の死後50年までとなる。
・写真の保護期間は、各同盟国が独自に定めることができる。
日本はベルヌ条約に加盟しており、著作者が明確な場合には、死後50年、無名の場合には公表後50年という上記の基準に準拠した法律を定めています。
なお、インターネット上で入手した海外の写真について、著作権侵害が適用されるかどうかについては、「発信国法主義」、「受信国法主義」の二つがあり、国際的な議論が進められている段階ですが、現段階では著作権侵害について国際裁判の世界的ルールは存在しません。
発信国法主義とは、送信行為が行われた国の法律を適用するという考え方です。一方、受信国法主義は、受信が行われた国の法律でもって権利保護を適用するというものであり、アクセスをするユーザーが存在する国の法律を適用するという考え方といえます。
しかし、ヨーロッパやその他諸国においては、そのいずれを適用によって裁判を行うかについて、必ずしも統一した見解が出されていないのが現状であり、インターネット発祥の地、アメリカにおいても、州ごとに異なる法制度を有するという特色から、著作権侵害の国際裁判についても、州それぞれの裁判ルールがバラバラに適用されるという状況です。
一方、我が国においても、国際裁判についての実定法は存在せず、またインターネット上の侵害事件については、いまだ裁判例は公表されていません。従って、当サイトでインターネット等から入手し、販売する写真については、基本的には上述のベルヌ条約に準拠した国内法に準拠した考え方を適用するのみとさせていただきます。すなわち、以下が判断基準となります。
・著作者が不明な写真については、それが公表されてから50年以上を経たものは、著作権が消失していると考える。
・著作者が明らかな写真については、著作者の死後50年を経ていないものについては、著作権が存在する。しかし、著作者がとくにその権利を主張していない限り、公表後50年以上経過しているならば、これを利用できる。
・なお、かつて著作権が存在していた写真に他者が複製・加工を加えたものについては、新たな著作権が発生する可能性があることから、これは引用できない。一方では、これらの写真をサイクロスが複製・加工したものの著作権は、サイクロスが有する。
当サイトにおける写真は、基本的には著作権が失効したもの、あるいは著作権の主張がないものであり、これを当方で修復、加工などの手を加えた「オリジナル作品」としたものであり、基本的な版権は当方に有します。
従って、WEB上にある当サイトの写真を利用される場合でも、”PSYCROSS” の透かしを除去したうえでのご使用はお控えください。
留意事項
写真の使用については、以下の事項をお守りください。 掲載されている写真は、個人としての利用のみ可能です。
- コピーによる他者への流用、商業目的などの再利用はご遠慮ください。
- 各写真に刷り込まれている「透かし」を削除してのご利用はお控えください。
- 素材への直リンクはおやめください。
ご意見、ご質問等は、こちらからどうぞ。