私を高いところへ連れて行って

昨日の伊豆地方は激しい雨と風で一日中天候は荒れまくり、先週までの好天はどこへ行ってしまったの?というかんじでした。

伊豆では雨で済みましたが、お昼すぎにテレビを見てびっくり!かつて住んだ都は一面の銀世界にあり、あちこちで車がスリップしたり鉄道や他の交通機関が止まったりで大騒ぎのようです。

ですが、白い雪に覆われた懐かしい町をみると、これはこれで妙にうらやましく、伊豆でも降らないかな~と窓を開けて空を眺めてみるのですが、どうやらここでは降るよしもなさそうです。

2階へあがり、北側の空を眺めてみると、いつもの青空は影をひそめ、空は厚い雲に覆われていますが、よくみるとその雲は均一ではなく、厚い雲と薄い雲がまだら模様になっていて、それらが東から西へと足早に動いていきます。

ふだんはそこに見える富士山の上の雲は西から東へと流れているのに、それらはいつもと逆の東から西へと流れており、これは名古屋沖を北上する発達した爆弾低気圧に向かって流れ込む東寄りの風によるものだとわかります。

全天が見えるというわけではないのですが、山の上のこの地から見える広い空とそこを流れていく雲をみあげていると、伊豆半島のど真ん中にいる自分の姿が想像でき、地球の上に立っているなという実感を味わうことができます。

東京でマンション住まいをしていたときにはこうした感覚はなく、広い関東平野の西のはじっこにあるその住宅街から見ていた空はひどく狭く、天候を気にするよりもまず、その環境の息苦しさに先に注意が行ってしまったものです。

これとは比較にならないほどの開放感のある広い空を手に入れた今は、より天上に近づいたような感がありますが、もし可能ならばさらにこれより高いところに住みたいとも思います。

今後さらにそうした場所に移住する可能性がないわけではありませんが、なかなかそうした場所に気に入った土地や家が手に入るとは限りません。なので当面は、山登りなどによって一時的にそうした高いところを訪問するだけということになりそうです。

日本一高い場所にある町

そこでふと思いついたのが、日本一高い場所にある町はどこかな、ということで、早速これを調べてみました。

「町」という定義からすると、何等かの「役場」が存在するところということになりますから、この線で調べてみると、どうやら日本一高い場所にある役場は、長野県の川上村の村役場のようで、その標高は1185mということがわかりました。

この川上村は、その西側に八ヶ岳を望む場所であり、八ヶ岳の広大な裾野である「野辺山高原」の一部のようです。この北側には奥秩父山塊の支脈があり、その隣には「南牧村」や「南相木村」といった同じく野辺山高原に属する村々があります。

川上村役場が高地にあるのと同様、この南牧村の役場も標高1030mの高地にあって、日本で三番目に高い場所にある役場です。こうした1000m近い場所にある日本の市町村役場をその標高順に並べてみると次のようになります。

長野県川上村 1185m
群馬県草津町約1180m
長野県南牧村約1030m
長野県原村約1000m
長野県南相木村約990m
長野県北相木村約970m
福島県檜枝岐村(ひのえまたむら)939m
長野県木祖村約925m

草津町をのぞけば、一位から六位までをすべてこの八ヶ岳東山麓の村々が占めていて、どうやらこれらの村々が属する野辺山高原一帯が、日本一天上に近い「居住」に適した場所ということになりそうです。

単に標高が高いだけでなく、年間を通して降雨量が少なく晴天の日に恵まれる日も多いということで、国立の野辺山天文台や、電波宇宙観測所といった施設もあり、鉄道ファンのみならず天文ファンも集う場所として有名です。

ちなみに、我々が一昨年前に移住先を探し始めたころ、一番最初に訪れたのがこのひとつの「原村」で、ここは東京にも比較的近い高原にあるリゾート地ということで近年人気を集め、多くの別荘が建てられています。

しかし、人気の場所であるだけになかなか売りに出されるような別荘地は少なく、いいなと思うところには既に家が建っていたり、農地のために住宅地が建てられないような場所も多く、こうした土地に家を建てるためには、宅地への転用許可申請などのために時間がかかります。

環境といい、眺めといい、大いに気に入った土地柄ではあったものの、結局良い物件をみつけられず、この地への移住はあきらめました。

日本一高い場所にある駅

上述の村々のうち、南牧村には、JR東日本の小海線(こうみせん)の野辺山駅(のべやまえき)という駅があって、これはJRの駅の中では最も標高の高い位置にある駅であり、その高さは1345.67mで、この駅で販売されている記念入場券には「空にいちばん近い駅」とあるそうです。

ちなみに、逆にJRの駅の中で一番標高が低いのは、東京の総武快速線、馬喰町駅(ばくろうちょうえき)のマイナス30.58mです。

また、世界で最も高い位置にある鉄道駅は中国チベット自治区にあるタングラ駅の標高5068.63mだそうです。これに比べれば八ヶ岳東麓のこれらの村々ははるかに低い場所になりますが、それでも東京スカイツリーの二倍以上の高さの1300mを超える場所に鉄道駅があること自体が不思議なかんじがします。

なお、鉄道の線路が敷かれている場所で最も高い位置は、野辺山駅のすぐ隣の駅の清里駅との間にある同じ小海線の中の地点で、ここの標高は1375mです。

さらに、JRの鉄道路線以外のトロリーバスのような路線も含めた中での日本の最高標高の駅は、立山黒部アルペンルートのトロリーバスのターミナル駅、室堂駅の2450mになり、ロープウェイまで含めるとなると、その最高峰は中央アルプス駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅であり、ここの標高は2611.5mです。

室堂駅は、ここから東側にある大観峰駅まで出ているトロリーバス路線の始点駅であり、この大観峰駅からはさらにロープウェイを乗り継いで、かの有名な黒部ダムサイトまで行くことができます。駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅のほうは終点であり、ここからは富士山はもちろん、雄大な南アルプスの山々を一望に見ることができます。

以上のことから、とにかく歩いて行くのはイヤ、動力でできるだけ高い場所に行きたいという人で、その中でも鉄道などの公共交通機関を使って日本で最も高い場所まで行きたいということになると、それは立山か駒ヶ岳ということになります。

日本一高い場所にある道路

ちなみに、乗用車で行ける場所は?ということになると、富士山には、「富士スカイライン」を使って、五合目の標高約2400m地点まで行けます。が、到達できる高さはこの駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅にわずかに及びません。

一般国道でもその最高地点は長野県と群馬県の境にある志賀草津道路の「渋峠」でその標高は2172mだそうです。

ただし、現在「一般車両全面通行禁止」となっている、岐阜県高山市丹生川町にある「乗鞍スカイライン」の最高標高は2702mということで、この高さは上述のいずれをも凌駕しています。

通行禁止になった理由は、この道路が、日本一の高度を走ることのできる「雲上のスカイライン」としてあまりにも有名になり、観光客のマイカーで溢れかえって渋滞が続くようになったため、著しい排気ガスによって自然破壊が進んだためのようです。

このため、乗鞍岳自体が中部山岳国立公園の特別保護区に指定されて規制が厳しくなるとともに、2003年(平成15年)からは通年マイカー規制となり、一般車両は走行する事ができなくなりました。

しかし、路線バスやタクシーによってここまで行くことは可能で、バスの場合、ふもとの「平湯温泉」から定期便が出ており、最高峰付近の「畳平」まで片道約1時間10分ほどで行けるようです。往復料金2200円かかりますが、楽して高所に行きたいという人にとってはそれほど惜しい出費ではないかもしれません。

日本一高い場所にあるホテル

さて、以上のように、鉄道や乗用車などを使えばそれなりに高所へ行けることはわかりました。がしかし、これらの場所へはその日に行って帰ってくるだけの、いわばタッチ&ダウン式の訪問であって、せっかくそこまで行っても、その場所の風景や環境を短時間しか味わうことができません。

いや、そうじゃないんだ、せっかく行くんだからその場所の雰囲気をじっくり味わいたい、できればそこに1~2日は滞在してみたい、という人にとっては、何等かの宿泊施設がある場所で一番高い場所はどこなの?ということになると思います。

そういう場所というのはおそらく、高所にあるリゾートホテルか、もしくは山小屋のようになると思うのですが、まず、ホテルとして一番高いものはどこかを調べてみました。

すると、これは前述の木曽駒ヶ岳ロープウェイの千畳敷駅、2611.5mに併設して建てられている「ホテル千畳敷」のようです。

この千畳敷駅に至るロープウェイの始点は、ふもとの標高1661.5mにある「しらび平駅」であり、ここと千畳敷駅との高低差は950m。終点の千畳敷駅は「千畳敷カール」と呼ばれる雪渓の中にあり、ここにはスキー場もあって、かつ木曽駒ヶ岳の登山口ともなっています。

ホテル千畳敷はこの駅舎に併設されており、客室は全室和室で、16部屋。食堂、お風呂なども備えている鉄筋コンクリート造り3階建てのホテルです。

客室数が少ないことから万人向けとはいえませんが、このロープウェイは冬季も含めて通年営業されており、またふもとの駒ヶ根市街にはたくさんの別のホテルもあることから、必ずしもこのホテルに泊まらないと駒ヶ岳観光ができない、というわけでもありません。

千畳敷駅のある2611m地点からは南アルプスの眺めが雄大に見えるそうで、またやや北よりには富士山も望むことができ、ここからのご来光が美しいと評判のようです。

一昨年前に移住先探しをしていたころには、この麓の駒ヶ根や伊那などの土地を見て回り、このころには、ここに住むようになったらぜひ一度登ってみたいと思っていましたが、結局移住先が伊豆になったために、ここへの訪問はいまだに果たせていません。なので、私としても一度は行ってみたい場所でもあります。

このほか、前述の鉄道(トロリーバス)駅としての最高地点駅である、立山の「室堂駅」2450mにもホテルが併設されていて、こちらは「ホテル立山」といいます。

ホテル千畳敷のほうは通年営業していますが、こちらは冬季には、積雪20メートル、最低気温摂氏マイナス24度におよぶ酷寒の地にあることもあり、冬期はふもとからのバスなどの交通が遮断されるため休業となります。

が、6階建ての鉄筋コンクリート造りであり、客室数は和室、洋室を合わせて85室もあるほか、入浴施設もあります。

ちなみに、私はこのホテルにタエさんと結婚前に行ったことがあり、宿泊こそしませんでしたが、お食事もできる立派なレストランもあって、高所にあるホテルとしてはなかなか良い設備だなと思いました。

ここを訪れたのは、10月のおわりだったと思いますが、すでに積雪は3m近くあり、ホテルの周囲は一面の銀世界で、その雪で覆われた見渡す限り広い平原地帯のまわりには、立山、剱岳、室堂といった神々しい山々がそびえていて、ここが天上の世界か、と思えるほど美しい場所でした。

その見事な景観から通年を通じて多くの観光客が訪れ、厳冬期でも山岳スキーの愛好家には人気のスポットのようです。が、一般人が冬季にここを訪れるのはまれで、スキーなら11月初旬までか、4月以降の春スキーがシーズンのようです。

秋季の紅葉も素晴らしいとの評判で、夏でも涼しく星空がきれいなことから、天文ファンならずともその美しい星々を見たいがために行く人も多いと聞きます。

その気になれば「ライチョウ」の観察などの自然観察や、周囲の美しい景色をみながらトレッキングできるコースも整備されているようなので、今度は寒い時期ではなく、温かい時期を選んでまたぜひ一度行ってみたいと思います。

日本一高い場所にある山小屋

これらの二つのホテルのある標高はいずれも3000m未満です。これよりさらに高い場所に宿泊したい、ということになるとあとはもう、山小屋しかありません。

以下が、日本にある高所の山小屋のベストテンになります。

1位 赤石避難小屋 3,120m 南アルプス(赤石岳)
2位 北穂高小屋 3,100m 北アルプス(北穂高岳)
3位 荒川中岳小屋 3,080m 南アルプス(荒川岳)
4位 槍ヶ岳山荘 3,060m 北アルプス(槍ヶ岳)
5位 南岳小屋 3,000m 北アルプス(南岳)
5位 北岳肩ノ小屋 3,000m 南アルプス(北岳)
5位 大汝休憩所 3,000m 北アルプス(立山)
8位 穂高岳山荘 2,996m 北アルプス(奥穂高岳)
9位 剣ヶ峰旭館 2,980m 木曽御嶽山
10位 御岳頂上山荘 2,950m 木曽御嶽山

1位の赤石避難小屋は無人の小屋になり、その名の通り赤石岳などに登頂する人のための緊急の小屋です。ですから仮に「宿泊」を目的に行くとすれば、最も高所にあるのは2番目の北穂高小屋からになります。ただし、こうした山小屋は厳冬期には閉鎖されてしまうものが多く、この北穂高小屋も営業は、4月から10月の終わりまでです。

もっとも、こうした山小屋に宿泊だけを目的で行く人は少ないと思いますし、またこれらの山小屋はあくまで登山客が山に登るための一時通過のための宿泊施設ですから、温泉や豪華な夕食を期待する人向きではありません。

が、メシはともかく、温泉だけでもという人は、以下の山小屋では温泉にも入れるようですから検討してみると良いかもしれません。

温泉のある山小屋(高所順)

1位 みくりが池温泉 2,430m 北アルプス(立山室堂)
2位 高天原山荘 2,285m 北アルプス(高天原)
3位 湯元本沢温泉 2,150m 八ヶ岳(夏沢峠)
4位 鑓温泉小屋 2,100m 北アルプス(白馬鑓ヶ岳)
5位 白馬岳蓮華温泉ロッジ 1,475m 北アルプス(白馬岳)
6位 三斗小屋温泉 1,470m 那須(茶臼山)
7位 県営くろがね小屋 1,346m 東北(安達太良山)
8位 法華院温泉山荘 1,303m 九重山(坊ガツル)
9位 三条ノ湯 1,103m 奥秩父(雲取山)
10位 赤湯温泉山口館 1,050m 上信越(苗場山)

ちなみに、富士山の山小屋は、これらよりも高い標高にあるものも多く、最高地点にあるのは、「御来光館」でその標高は、ナンと3450mだそうです。150名もの宿泊キャパがあるようですが、一番高いところにあるということもあって、夏季にはかなり混雑しているようです。

予約もできるようですが、場所が場所だけに、予約したからといって必ずしもここまで辿り着ける人ばかりではありません。このためこうした富士山の山小屋では、飛び込み客も受け入れてくれる場合も多いようです。

が、それにしてもこうした富士の山小屋はそれでなくても近年の富士登山ブームでどこも混雑しているようですから、一応の予約はしていったほうが安全でしょう。

さて、以上、長々と高いところに行きたい!人向けの情報をかき集めてみましたが、ご参考になったでしょうか。

私自身は、やはり今年はぜひ富士登山を目指したいと思います。できれば宿泊施設に頼らず、夜登ってその日の日中に下ってくる「直行直帰」をひとりで実現したいと考えているのですが、そうしたいと言うとタエさんが横目でにらむので、山小屋もしかたないかな~と考え始めているところです。

季節はまだ冬であり、その日が来るまでにはまだまだ時間がありそうなので、どうやって富士山を攻略するかについては、またおいおいじっくり考えることにしましょう。

今もこの部屋の窓から見える富士山は手に取るように近くに見えます。あそこまで修善寺から誰かロープウェイでも引いてくれればいいのに……と思うのですが、そんなわけにはいきません。

やはり歩いて登るしか今は方法はなさそうです。今からしっかり体を鍛えて来たるべき日に備えることにしましょう。みなさんも今年はぜひ体を鍛え、富士山にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

富士マイカー登山

昨日、富士の高嶺にはまた雪が降ったらしく、ほんの少しですが白っぽくなっています。これから涼しくなっていくにつれ、ますます白くなっていくのでしょう。そんな様子が毎日見れるのは楽しいことです。

この我が家から見える富士、すなわち静岡県側からみえる富士山は、通称「表富士」というのだそうで、逆にその裏側、つまり山梨県側からみえるのは「裏富士」と呼ぶようです。

富士吉田市にある正福寺というお寺に保存されている、「八葉九尊図」という地図絵(伝1860年作)には、「するが口表」という表記があるほか、江戸時代に甲府に派遣されていた幕府の役人が書いた地誌、「甲斐国志(1814年完)」でも、「南面ヲ表トシ、北面ヲ裏トスレドモ、…」と書いてあり、このように、江戸時代にはすでに富士山の南側が表、北側が裏とする考え方は一般的な認識だったようです。

これとは別に「裏富士」という言葉もあり、かの有名な葛飾北斎の「富嶽百景」では「裏不二」という作品や、同じく北斎の「冨嶽三十六景」の中にも「身延川裏不二」という作品があります。このほかにも、歌川広重の「不二三十六景」「甲斐夢山裏富士」などがあり、江戸の絵師たちにも、南側が表で、北側がが裏だという認識が浸透していたようです。

ま、山梨県側の方からすると、裏だ裏だと言われるのはなにやら不愉快なかんじがあるのではないかと思うのですが、世間一般の通称だと思っていただき、納得してもらうしかしかたがありませんね。とはいえ、山梨県民はあまり、「裏富士」という言葉を使わない、ということを聞いたことがあります。やはりそれなりにコンプレックスを持っていらっしゃる方も多いのではないかと拝察……

あまり山梨県の方の県民感情を逆なでにするような話題はやめましょう。

さて、歩いて富士山に登ることのできるシーズンもそろそろ終わりということで、これから先は、クルマで五合目まで行くことしかできなくなります。

しかし、富士山にクルマで登れるルートっていくつあるんだろう、また、冬になったら閉鎖されるんだろうが、いつまで登れるんだろう、と気になったので調べてみました。

すると、まず、登山口としては、吉田口、河口湖口、富士宮口、須走口、御殿場口の五つがあるようです。

吉田口というのは、富士山北西部にある富士吉田市から延びる有料道路、「富士スバルライン」の起点で、河口湖口というのは、同じく富士スバルラインへアクセスする道路が河口湖付近から出ているのでそう呼ばれているだけで、実質、この二つの登山口から登るルートは一つで同じです。

富士宮口というのは、富士山の南西部に位置する富士宮市から北東へ延びる、県道180号線の起点で、ここを発するルートは、通称「富士スカイライン」と呼ばれています。また、富士山南東部の御殿場口から延びる県道23号線(途中から県道152号線)も「富士スカイライン」と呼ばれていて、このふたつは富士山のほぼ真南にある「十里木高原」付近でぶつかりあい、ここから一緒になって北へ方向を変え、富士山五合目に向かいます。

この合流点から、富士山五合目までは、県道152号線という名称になっていますが、これも通称は「富士スカイライン」です。富士宮口からの180号線も富士スカイライン、御殿場口からの23号線(途中から152号線)も富士スカイライン、なので、ややこしくて仕方ありません。

実は、御殿場市と富士宮市を結ぶ区間と、この途中から富士山五合目まで向かう道路は全部合わせて、「表富士周遊道路」と呼ばれ、かつてのその愛称が「富士スカイライン」でした。かつては有料道路でしたが、公団の債務が完了したので、県に払い下げられ、無料区間になりました。

御殿場と富士宮を結ぶ区間を「周遊区間」と呼び、23号(152号)と180号の合流地点の富士山二合目から新五合目に至る区間は「登山区間」と呼ばれています。富士宮側、御殿場側、どちらから登っても五合目に到着できますから、あとはお住まいの場所次第で出発点を決めていただくことになります。

次の須走口。これは、富士山の東側を南北に走る、「東富士五湖道路(有料)」の須走インターチェンジあたりを始まりとするルートの起点で、このルートは「ふじあざみライン」こと、県道150線です。当然無料。

御殿場口。これはさきほど説明しました。御殿場市内から西へ延びる23号線を辿ると、西から来る180号線とかち合い、ここから五合目まで登れます。

なお、富士山南麓にある「富士サファリパーク」のすぐ北側からは、「南富士エバーグリーンライン」という有料道路があり、これは、東側の御殿場から来る県道23号線まで伸びており、23号線こと、富士スカイラインに合流できます。

その起点には、富士サファリパークや「富士山こどもの国」などのレジャー施設があり、富士市や裾野・三島市あたりから、これらの施設目当てにやってきた観光客を富士山に誘うための道路みたいです。名古屋方面から来る人にとっては、サファリパークなどで遊んだあと、御殿場まで行かずに富士スカイラインに行ける「バイパス道路」的な存在なので、時間を節約したいときは便利かもしれません。

以上を整理し、途中の行程距離、到達できる富士山五合目の高さを調べてみました。以下のとおりです。

吉田口(河口湖口)通称・富士スバルライン(有料) 約30km 2305m
須走口 県道150号、通称・ふじあざみライン、約12km 2000m
富士宮口 県道180号、途中から152号 通称・富士スカイライン、約36km、2400m
御殿場口 県道23号、途中から152号、通称・富士スカイライン約33km 2400m

ただし、吉田口は、河口湖起点、須走口は、富士五湖周遊道路・須走IC付近起点、富士宮口は、富士宮市内起点、御殿場口は御殿場市内起点です。富士宮口起点と御殿場口起点のルートは最終的には同じ場所まで行きますので、到達できる標高は同じです。

こうしてみると、一番距離が短いのは、ふじあざみラインということになりますが、須走へ行くにはどのみち御殿場や富士吉田を通らないといけないので、これらを起点とするとあまり距離は変わらなくなります。しかも、到達できる高さは2000mまでです。この高さだと、関東平野は見えないかもしれませんね。もう少し標高が欲しいところです。到着点の駐車場は駐車可能台数が少ないそうで、注意が必要です。

吉田口の富士スバルラインは、2300m付近まで登ることができます。位置的には富士山のほぼ北側になるので、南アルプス連峰や八ヶ岳などがきれいに見えるらしいです。行ったことがないのでよくわかりませんが、関東地方は見えないのではないでしょうか。マイカー規制のない週末は大渋滞を起こすことがあるそうなので、行くなら平日がよさそうです。

富士スカイラインは、一番高い標高までクルマで登れて、しかも無料というのがうれしいですね。しかもこの標高、2400mは自家用車で行ける日本最高地点だそうです。アクセス距離はそれなりに長くなり、ロングドライブになるでしょうが、おそらく眼下には駿河湾や伊豆半島が一望に見えるのではないでしょうか。もしかしたら、箱根山も見えるかも。

新五合目には約500台分の無料駐車場や、トイレ・土産物売場・食堂などの施設、山麓とを結ぶ登山バス(富士急)のバス停があるそうです。ただし、この登山道、一応全線二車線なのですが、中盤辺りからヘアピン状のカーブが連続するとかで、運転には注意が必要です。また、この道路も週末は大渋滞を起こすことがあるそうなので、これを通るならば、行く日を選んだほうがよいでしょう。

ちなみに、「五合目」と呼ばれているのは、富士スバルラインの終点だけで、富士あざみラインと富士スカイラインの終点は、どちらも「新五合目」と呼ばれています。なんで、新五合目がふたつもあるんだよ、と突っ込みたくなります。あとから出来上がったので、「新」なのでしょうが、どっちが先にできたのかは知りませんが、それならややこしいから、どちらかが「新々五合目」にすればよかったのに、と思うのですが。

いずれの登山道も、最近の富士山ブームで、週末にはとくに混雑が激しいようです。とくに、7月からの山開きのあとは、五合目でクルマを止めて、そこから頂上を目指すハイカーが多いことから、7・8月の特に混雑する時期には、マイカーでの登山を禁止しています。

たとえば、富士スバルラインでは、今年、7月14日~16日までの連続3日間と、8月4日~15日までの連続12日間、マイカーでの登山を禁止し、この間は、シャトルバスを運行しました。

富士スカイラインの富士宮口からのルートと、ふじあざみラインも、今年、7月13~16日、20~22日、7月27~8月19日、8月24日~26日と、マイカー規制しています。富士スカイラインの場合、マイカー規制時には、御殿場区間にある水ヶ塚駐車場より登山バスおよび登山タクシーが新五合目まで運行されます。

これらの夏季のマイカー規制は、例年実施日が違うようなので、注意が必要です。

さらに、いずれの登山道も、冬季になると積雪が多くなるため、いずれの登山道も、11月の下旬から4月の下旬までは、登山道の起点を閉鎖し、クルマが入山できなくなるようにしています。

冬の間は空気が透き通って、眺めがよさそうで、この時期がみなさん、ほんとうは一番登りたいときなのでしょうが、場所が場所だけに仕方がないところです。

さて、自分でドライブがてら富士山に登ってこようかな、などと考えていたので、いろいろ調べていたら、それだけで結構な分量になってしまいました。みなさんのご参考にもなりましたでしょうか。もし、これを読んで、富士山まで行ってみようと思われる方は、あとは、地図をしっかり見くらべてみていただき、どのルートで行くか決めてください。

あ、そうそう、五合目は寒いですよ。9月のこのころでも、最高気温は14~15度くらいのはずです。朝夕はもっと寒いでしょう。さらにこれが、10月、11月になると、0度近くにもなります。くれぐれも温かい恰好をしていってくださいね。風邪をひかないように、いってらっしゃーい。