裏窓から見える風景

先日の休みの日のこと、朝食を食べて二度寝をしようと、スマホをポケットにいれて階段を上ろうとしたところ、急にアラーム音が鳴り響きました。

あわててスマホを取り出して見たところ、海難救助を要請する118に電話がつながっており、向こうからは「こちら海上保安庁の緊急通報受付です」の声がするではありませんか。

とっさのことでパニックってしまい、慌てて電話を切ってしまいましたが、あとになって、間違い電話でした、と一言いえばよかったなと、オペレーターさんには申し訳なく思ったりしました。

まさか、もう一度電話をかけて間違いでした、と言うわけにはいかず、そのままにしてしまいましたが、後で色々調べてみると、よくあるケースらしく、かかってきた先の電話番号にお叱りの一言が、なんてことはないようです。

こうした緊急通報の97%ほどは間違い電話だそうで、その多くは携帯電話の「緊急SOS」の設定のようです。最近のスマホにはサイドボタンや音量ボタンを長押しすると立ち上がり、警察や消防へ電話ができる機能が付いているようです。

ポケットに入れている間に、何かの拍子にボタンが長押しされてかかってしまったと推察されますが、以後は同じことを繰り返さないよう、自動で緊急SOSが入らないように設定を変えました。

こうした機能があることは、携帯電話の設定をつぶさに見ていればわかるのですが、初めてスマホを持った私や初心者にはわかりづらく、初期設定がそうなっていれば、それに気が付かない人も多いようです。

携帯電話に限らず、コンピュータなど他の電子機器にもそういう「便利機能」が設定されていることがあるようですが、開発者が便利と思っていても、使う側が知らない、わかっていない場合は無用の長物になることもあります。今回の私の失敗もそれでした。

一方では、取扱説明書や仕様書には記載されないコマンド(命令・操作)が搭載されていることもあり、これは一般に「隠れコマンド」、もしくは「隠しコマンド」といいます。

コンピュータ製品の一部には、設計時に用意されながら、諸般の事情によりユーザーには公開されていない、非公開のコマンドがあるようです。所定の操作を行う事よって、仕様書・取扱説明書には無い機能を使えるようにする事ができます。

電子機器関連の業界ではこうした機能をイースター・エッグと呼んだりするようです。これは、キリスト教の復活祭の際に、装飾を施した卵(Easter egg)をあちこちに隠して子供たちに探させる遊びにちなんでいます。

コンピュータのソフトウェアやCD、書籍などのメディアなどにも隠されていることがあり、本来の機能や目的とは無関係のメッセージや画面です。そのメディアを企画した人や開発スタッフの一覧などが、ここに隠されていたりします。

ただ、それだけではつまらないということで、ちょっとしたゲームの体裁になっている場合などもあり、アニメーションや音楽を伴って表示されるものもあります。ジョークというよりも、製作者のちょっとした遊び心としてこうしたものが用意されるようです。

Microsoft Excelをはじめ、Internet Explorer、Visual Basic、Adobe Photoshopなど有名なソフトにもさまざまな方法でイースター・エッグが隠されているといいます。

かつてのマイクロソフト Windows 98では、システム設定で表示される世界地図上の開発コードネーム名を順番にマウスでクリックしていくと、製作スタッフのロールが表示されていました。このほか、Internet Explorerでもバージョン 4.0、5.0あたりまでには似たようなイースター・エッグが存在していたといいます。

 

 

 




 

 

開発からかなりの時間が経ってからこうしたイースター・エッグが「発掘」されることもあります。かつてファミリーコンピュータが流行っていたころに販売されたあるゲームソフト(1988年発売)」では、発売から13年後にイースター・エッグが発見されました。

発見されてすぐには何かよくわからなかったようですが、数年後にあるユーザーが解析したところ、まず隠し音楽データが見つかり、そこを辿っていくと隠しメッセージが現れました。そのメッセージはこのソフトの開発者が書いたものらしく、そこには仲の悪い同僚への悪口や愚痴のほか、世話になった同僚への感謝の言葉なども記されていたといいます。

最近のゲームソフトにもこうしたイースター・エッグがあるようです。ネットを調べれば色々出てきそうですから、皆さんも宝探しをしてみてはどうでしょうか。

ただ、こうしたイースター・エッグを何のヒントもなしに発見するのはかなり難しそうです。そのほとんどは普通の操作ではでてこないようになっているようですし、無理に探そうとして素人がいじりまわすことによって誤作動を起こす危険もあります。

一方、映画や音楽用DVDやCDなどにもパロディ映像やNG集、制作者の隠しメッセージなどが収録されている場合があり、こちらはそれほど珍しいものではありません。ディスクジャケットやライナーノーツ(付属冊子の解説文)には何も書かれておらず、再生装置にかけ、全トラックを表示させて初めてこうしたコンテンツがあることがわかったりします。

ただ、最近はこうしたイースター・エッグは少なくなっているようです。2000年ごろまでは、かなり数が多かったようで、これを探す愛好家も数多くいましたが、近年はあまりみかけなくなってきています。

その理由にはいろいろあるようですが、一つにはソフトウェアそのものが複雑化したということがあげられます。品質の向上や、セキュリティ確保においてより高いものが求められている現在では、本来の機能とは関係ないものを実装する余裕はなくなっています。

また、近年ではソフト開発においては何においても迅速性が求められます。多くのプログラマーやシステムエンジニアたちが寝る間もなく働いてソフトを作っており、そんな中では自分が作ったものにジョークを潜ませる元気もないのでしょう。

ただ、こうしたイースター・エッグを意図的に搭載させる場合もあります。例えば、かつてカシオ計算機の一部の電卓では、特定の数値を同時押ししながらACキーを打つことで、“CASIO”の文字が浮かび上がっていたそうです。隠しコマンドでブランド名を表示する機能により、他社が類似製品を自社名で販売することを防止できます。

このほか、スマホ向けOSのAndroidでは、バージョンごとに隠し要素が含ませているそうで、「設定」の一番下の、「端末情報」にある「androidバージョン」を3回タップすると、ゲームが始まるそうです。これもおそらく偽造防止の一環でしょう。

 

 

 




 

 

さらに、コンピュータ・ゲームでは、「チートモード」という、隠しモードが設定されているものがあります。これはデバッグモードとも呼ばれ、製品になる以前の動作テスト段階で組み込まれた機能で、いわゆる「裏技」です。プログラマーが意図して組み込んだもので、かつては遊び心でこうした設定がなされることがありました。

ところが、その後、ゲームメーカーが、意図的に組み込む事が流行するようになりました。隠しコマンドという裏技を仕込むことで、ゲーム本来の楽しさとは別の楽しみを提供できるためです。こうした試みは1980年代半ばくらいから常態化するようになりました。

しかし、あまりにも流行したため、ロールプレーゲームなどの中にはこの隠しコマンドを利用しないと終わらないようなものも出てきました。中には誰がプレイしても絶対的に終わらせることが不可能、といったものまで登場しました。

現在では、こうした隠しコマンドも公開されるケースも多くなっています。ただし、ゲーム発売当初から公開されるのではなく、販売後何カ月も経ってから公開されたりします。

ゲーム専門雑誌が、発売後しばらくたってから公開することを条件に、開発者側から隠しコマンドを教えてもらう、といったケースがそれです。時にはユーザーが隠しコマンドを偶然発見し雑誌社に報告することもあるようですが、そうした場合でも開発者への断りのない勝手な公開は許されません。

日本以外の海外のゲームソフトメーカーでは、長期に渡って売上を確保するため、ゲーム発売後に一定期間をおいて隠しモードを順を追って発表する、ということをやっています。徐々にゲームの難易度を下げさせることによって、最初の頃は難しそうだから、と敬遠していたユーザーが、のちには購買層に転換するというマーケティング手法です。

一方、こうした隠しコマンドを乱発してゲームの難易度を極端に高くし過ぎると、いわゆるマニア受けしないゲームとなってしまいます。売上に悪影響を及ぼすため、程々の難易度に設定されているゲームが増えており、最近ではプレーヤーがゲームを終わらせるために有利となる隠しコマンドは少なくなる傾向にあるようです。

そのかわり、本来のゲームの隠しコマンドではなく、「おまけ」のゲームを呼び出すための隠しコマンドの設定が増えているそうです。最近ではゲームソフトを搭載する媒体の記憶容量がかなり増えていることもあり、こうしたおまけゲームを加えることも容易になってきました。キャラクターの変更までも可能なかなり高度なものもあるようです。

隠しコマンドは、コンピュータ以外の製品、例えば家電製品の一部にも搭載されていることがあります。その目的は、製品のテスト、技術者によるメンテナンス、店頭への展示用などいろいろあるようですが、ハードウェアあるいはソフトウェアの設計段階で実装されるものであるため、一般の人は知ることはありません。

当然、取扱説明書にも記載されておらず、たとえば、エアコンを周囲の温度に関係なく一定温度で運転させる、といったものがあります。ある空調メーカーのエアコンには、冷房運転中に温度の上げ、下げ、運転切り替え、の3つのボタンを同時に押した後、運転切り替えボタンを二度押すと、それができるようになります。

しかし、仮にそれができたとしても元に戻す方法はマニュアルにも書いてないわけですから、安易にこうした操作をすることは危険です。故意に隠しコマンドを使って製品に不具合が生じてしまったときには、修理を依頼しても保証が適用されないこともあります。

一方、一般の消費者が操作したとき、偶然にこのモードに切り替わることもありますが、こうしたときにはパニックになってしまいそうです。先の私の失敗がそれです。

こうした事例は家電製品だけでなく、一般の交通機関、例えば乗用車や電車といったものにもあります。企業秘密に属する部分でもあるので公表されていませんが、とくに電子装置のトラブルの修理の際には、エンジニアたちはこうしたコマンドを使っているようです。

 

 

 



 

 

航空機の場合にもそれがあり、隠しコマンドのミス入力によって飛行機が墜落した例があります。「アエロフロート航空593便墜落事故」というのがそれで、この事故では隠しコマンドが偶然入力されたことにより自動操縦が解除されるというハプニングが起きました。

1994(平成6)年3月23日、アエロフロート航空593便は現地時間の1時頃、遭難信号や、緊急事態を報告する通信も発することなく、アルタイ地方のメジュドゥレチェンスクから、およそ30キロメートル離れた針葉樹林地帯に墜落しました。これは、シベリアのちょうど中央部で、南のモンゴル国境まで450kmほどの場所です。

この事故では、乗員12名、乗客63名のあわせて75名全員が死亡しました。のちに回収されたフライトレコーダーの記録によれば、高度約10,000メートルで失速し、回復不能なスピン状態に陥った後、急激に降下して標高400メートルの山地に激突しました。

別途発見されたボイスレコーダーには、事故直前に交代した機長が自分の娘と息子を機長席に座らせていたときの音声が記録されていました。

機長は息子に操縦桿を握らせるというとんでもない行為をしており、しかしそれによる方位や高度の変更は自動操縦で補正されると思い込んでいました。ところが息子が機長も知らない自動操縦の解除コマンドを意図せず入力してしまったことから悲劇が始まりました。

やがて操縦席の息子が姿勢指示器を見て「機体が右に傾いている」と異変を申告します。しかし、パイロット達は原因が分からないでいました。機体の傾きが徐々に大きくなり進路を示すモニターが右旋回を示すと、彼らはこれを着陸を待つための待機旋回だと誤認します。

この間わずか9秒。しかし機体の傾斜は設計上の限界を超えた45度以上となり、高度を保つことができなくなり、降下を始めました。この時、自動操縦の一部だけが解除された状態となり、残っている他の自動操縦の機能により、機体の高度を保つために機は機首を急激に上げ始め、加速による強いGの発生で乗員はほぼ身動きが取れなくなりました。

機長は、このGのために、機長席に座った息子との交代が不可能となり、副操縦士がサポートする形で操縦をしました。しかし、機体はこの操作を受け付けず、異常状態を解消できないまま傾きは更に増していきました。この最中にさらに自動操縦が全解除され機は失速。それに伴い速度を保つための自動安全システムが作動し、機の急降下が始まりました。

副操縦士が降下を食い止めようと操縦桿を引くことで一度は機首を上げることに成功しますが、今度は逆に上がりすぎてしまい、再び失速を招きます。失速でGが軽くなった隙に機長は息子と席を交代できましたが、機はスピン状態でまっ逆さまに急降下を始めました。

パイロット達の懸命の操作により、スピンを止めて水平飛行に戻す直前まで持ってくることができましたが、既に高度が足りず、最後は山岳地に激突しました。

この事故の最大の原因は、隠しモードを含むフェイルセーフシステムの情報がメーカーから航空会社側へ周知徹底されていなかったことです。90年代半ばまで同様の原因による墜落事故が各国で続発したため、飛行機を製造したエアバス社は著しい業績不振に陥ることとなりました。

最近の工業化製品においては、誤操作・誤動作による障害が発生した場合にこれを安全に制御するための何等かの「歯止め」が設けられています。これは装置やシステムが「必ず故障する」ことを前提にしたものです。この飛行機の隠しコマンドもそのための「信頼性設計」のひとつでしたが、それをユーザーに知らせなかったことが悲劇の要因になりました。

 

 

 



 

 

前述のとおり、隠しコマンドには、諸般の事情によりユーザーには公開されず、非公開になっている場合があり、中には動作未保証のコマンドもあります。このうち、とくにコンピュータ・プログラムに設けられたものを「バックドア」と呼ぶ場合があります。直訳すれば「裏口」ですが、つまりは正規の手続きを踏まずに内部侵入が可能な入口です。

コンピュータは元来、求められる仕様に応じて、特定の操作だけに反応するようプログラムやハードウエアが設計されています。しかし、機能上の欠陥から本来許可すべきではない通信や操作を受け入れてしまう場合があり、これがバックドアの本来の意味です。

こうした欠陥は一般的にセキュリティホールと呼ばれていて、その中には特定の通信に対してコンピュータの設定を自由に変更できる管理権限を許してしまう場合もあります。

いわゆるハッカーと呼ばれるような人たちは、こうしたセキュリティホールをうまく見つけてバックドアをこじ開け、そこから新たなソフトウェアを送り込みます。いわゆるハッキングであり、トロイの木馬と呼ばれるようなウィルス性の偽装ソフトウェアはこうして実装されます。

一方、コンピュータ・プログラムの開発者が設計・開発段階で意図的にバックドアを組み込むことがあります。

例えば、製品の機能をテストするために、外部環境からアクセスできるようバックドアを作っておく場合がそれです。本来、セキュリティ上の問題から、外部ネットワークからの管理権限での接続を許すべきではありませんが、製品として開発する際に、外部から管理権限で接続して様々な設定を操作することで、テスト効率がよくなります。

もちろん、開発が終了した製品の製造・発売時には、これらの機能は取り外されて市場に出荷されますが、時には誤ってそれらバックドアを含む製品が出荷されてしまうことがあります。それに気づいた悪意あるユーザが悪用することもあり、こうした場合にはリコール騒ぎになったり不買運動に発展することもあります。

こうしたバックドアは、通常プログラムの開発者と依頼者との契約に基づいて作られます。しかし、バックドアを、依頼者には知らせずに意図的に組み込む場合もあります。これはつまり、依頼者が知らない間にこのバックドアを利用して、プログラムを操作することができることを意味し、多くの場合それらは不正行為とみなされます。

片やそれを合法的にできるようにしているケースもあります。アメリカでは、国内で使用されている殆どの通信機器に、あらかじめ政府機関からのアクセスをできるような仕組みが組み込まれおり、法的にも認められています。ネット犯罪が増えていることが背景にありますが、政府がすべての情報を管理把握しておきたいためだと言われています。

こうした情報を入手し、情報統制をしているのはアメリカ国家安全保障局(NSA)です。PRISMというコードネームのプログラムがあり、これは大手IT企業を経由してインターネット上の情報を広範に収集し監視する仕組みで、正式名称はUS-984XNといいます。

情報収集先はいわゆるGAFAと呼ばれる、グーグル、アマゾン、フェイスブック、アップルの4社のほか、マイクロソフト、Yahoo!、AOL、Skype、YouTube、Paltalk 、Dropboxなどほとんどのウェブサービスが含まれています。これらに含まれるユーザーの電子メールや文書、写真、利用記録、通話など、多岐に渡るメタ情報が収集されています。

無論、このバックドアを使用して情報を入手するためには法的な手続きが必要です。しかし、運用方法は不透明であり、個人情報が容易に取得されてしまうことも懸念されています。

 

 

まさか日本政府はそこまでやっていないよな、と多くの人が思っているでしょうが、防衛省は既に情報本部という情報収集組織を持っており、それなりに民間情報を収集しているようです。

2014年3月には、「サイバー防衛隊」というサイバー攻撃から国家情報を守ることを建前とした情報分析部隊も新編されており、この正式名称は「自衛隊指揮通信システム隊」です。市ヶ谷駐屯地に所在する統合幕僚監部隷下の情報通信部隊です。

その活動内容は必ずしも明らかになっていませんが、現在110数名の隊員から構成されていて、防衛情報の通信基盤を形成し運営する「ネットワーク運用隊」、サイバー戦を担当する「サイバー防衛隊」が根幹部門になっているようです。

アメリカのサイバー軍とも連絡を密にし、連絡官として幹部自衛官を常駐させたりしているようなので、もしかしたらNSAのデータ供与を受けているかもしれません。このほか、内閣にも「内閣情報調査室」というものがあり、関係各省から集められた約170名ほどのスタッフがいます。

内閣の重要政策に関する情報の収集分析が主業務とされています。治安維持のための情報収集を行っている警察や公安調査庁とは異なり、内閣が「重要な政策を遂行する上で必要とされる情報」を収集の対象としています。

「重要な政策遂行のための情報」って何よ、ということですが、一部の報道によれば政治家スキャンダル情報の収集や、閣僚候補に対する身体検査、政局の動向や世論の動向の調査ということで、どちらかといえば政治色の強い情報の収集を行っているようです。週刊誌等のマスコミと接触して情報収集を行うこともあるようです。

さすがに携帯電話各社のシステムにバックドアを設けるといったことまではやっていないとは思うのですが、この調査室には「内閣衛星情報センター」というのが包含されています。ここでは情報収集衛星や情報収集衛星以外の人工衛星から得られる画像情報やデータの分析をしていて、アメリカの衛星情報の供与も受けているようです。

光学衛星6機、光学実証衛星2機、レーダー衛星7機を保有しており、傍受した機密を保持するためプリンターは設置されずネット接続機器や記録媒体などの持ち込みも厳禁ということです。また私物は「ビニールバケツ」に入れて管理する規則だそうで、カバン等の持ち込みも厳禁です。さらに身分が保証されない限り機密情報を扱えないといいます。

もしかしたら、我々の日常生活も監視されているのではないかと勘繰ってしまうのですが、そう考えるとあまり気持ちの良いものではありません。最新の光学衛星の分解能は30cm級だそうで、これは車の種類の判別ができるレベルだということです。車で家を出てから行く先々のルートまで記録できるわけであり、日々の個人の行動を把握できそうです。

将来的にはもっと分解能の高いスパイ衛星ができるに違いありません。個人のプライバシーに属する個人情報を正当な目的なく行政機関が保有し、自由に情報操作するようになれば、日本は検閲国家になってしまいます。こうした公による監視システムが、国民に知らされないままに運用されるような国になってしまわないよう、祈るばかりです。