落雷にご注意

大瀬崎夕景
お盆の三が日、終戦記念日も終わり、そろそろ夏も終わりかな、というかんじになってきました。

2~3日前あたりから、夏の終わりを告げるというツクツクボウシも鳴き始め、庭のコスモスも大きく育って秋への準備万端といったかんじです。

ところが、ここ2週間ほどは、富士山は一向に姿を見せません。伊豆より北方面の大気は、夏の間上昇気流が起こりやすく、湿っているためだと思われます。御殿場方面では結構雨量が多いと聞いたことがありますが、先週末にも落雷を伴う激しい雨が降り、2000世帯以上で停電になったと聞いています。

なぜ雷が落ちると停電になるのか、についてですが、なんとなく想像できるのですが改めて調べてみると、これは、雷が変電所などに落ちた場合、この影響により過渡的な異常高電圧が生じるため、電気を送るための機器などが破壊されるためのようです。

専門用語では、「雷大波電圧」といい、または「雷サージ電圧」とも呼ぶそうで、一般的には「雷サージ」と呼称されているようです。

雷サージは、こうした電力会社の送変電施設などへの落雷による停電だけでなく、携帯電話のアンテナなどの通信施設などへの落雷による通信ダウンをひきおこすことがあり、施設被害に加え、停電、通信サービスの停止などの間接被害が発生します。

雷は、こうした電力通信施設以外にも当然落ちることがあるようですが、一般住宅を直撃するといったことはあまりないようで、これよりも背の高いマンションなどの集合住宅などに落ちやすいようです。

こうした背の高い建物には、一般には「避雷針」が設けられていて、ここを経由して地下に電流を逃がすことができるために大きな被害になることは少ないようです。

ただし、落雷電流の一部がその接地地点を経由してさらに建物内に回り込み、電気機器などに及ぶこともまれにあるそうで、こういうのを「直撃雷サージ」というそうです。

雷は、背の低い一般住宅にはあまり落ちないと書きましたが、たとえ住宅には落ちなくても、近くの樹木などに落雷した場合などでは、猛烈な電磁界により、その近傍の電線などに過大な電流を生じ、引いてはこれが一般住宅に及ぶことがあり、これを「誘導雷サージ」といいます。

さらに、稲妻は放電現象であるため、雷雲の内部などで放電が起こった場合、たとえ落雷に至らなくとも、雷雲と大地の間にぶら下がった状態のある送電線などに過大な電流が流れることがあるそうです。

これも「誘導雷サージ」の一種だそうで、こうしたことから、例え雷は遠くに聞こえていて落雷のおそれはなさそうでも、その接近には気を付けておいて「雷サージ」が発生する可能性を心配しておくにこしたことはなさそうです。

では、雷サージが発生すると何が起こるか、ですが、まず考えられるのは、家電製品などの損傷です。ときに修理不能になるほどのダメージを受けることもあり、特にパソコンなどの電子機器は雷の影響を受けやすいといいます。

一般家庭の多くは適切な雷対策がなされていないことも多いと思いますが、著しい雷サージが発生した場合、例えブレーカがあっても、ブレーカそのものが雷サージに耐え切れず、火災に至ることさえあるそうです。

一応JIS規格などでは、ブレーカのサージ耐力基準が定められてはいるものの、技術的限界より、単体として雷サージに完全に耐えられるものとはされていないといいます。

じゃあどうすればいいのよ、ということになるのですが、いまのところどうしようもありません。多大な費用をかけて特注のブレーカに買い替えるしかなさそうです。

とはいえ、ブレーカーが壊れるほどの著しい雷サージはあまり例がないそうで、確率的にもその可能性は低そうです。また、落雷の可能性があるとき、ブレーカをあらかじめOFFにしておけば、サージによる電流の伝播のカットにつながるため、例えばブレーカーが破壊されたとしても家電製品などの防護としては多少有効な対策となるようです。

ただし、家電製品などにも対策を施しておいた方が無難です。

雷サージ電圧は大きいため、一般的な電気機器の場合、電気機器の電源スイッチを切の状態として電源が入っていない状態にしていたとしても、多くの場合その効果は期待できず、電源スイッチを飛び越して雷サージ電流が流れます。

ブレーカをOFFにした場合でも、直前に電源用「避雷器」がない場合、30パーセントのサージが建物内部に侵入するといわれており、このため、雷注意報が発表された時などには、損傷して欲しくない機器につながる電源ケーブルや電話線などの全てをコンセントなどから抜くことが最も望ましい対策です。

富士吉田にて

しかし、雷が鳴るたびに、家中の電機機器のコンセントを抜いて回るのは大変なので、できれば避雷器があるにこしたことはありません。

この「避雷器」というのは、雷サージが発生するようなときには、自身が故障して大電流をバイパスさせ、他の部分や機器を保護する機械です。

ところが、日本では2011年現在、未だこの機械の安全審査・認証制度が進んでおらず、あまり普及しているとはいえません。2006年時点で、避雷器付住宅用分電盤の出荷数は全出荷数の1~2%だそうで、ほとんどの家には設置されていないようです。

従って、避雷器がない家庭では、雷サージが建物内部に侵入する可能性はかなり高いといえ、このため、雷注意報が発表されるような状況では、念のために、ブレーカを開放(OFF)にし、さらに電源ケーブルや電話線などの全てをコンセントなどから抜く、というのが現状では最善策となっています。

雷サージによる被害を軽減するための、いわゆるサージプロテクタとして、コンセント取り付け型あるいはテーブルタップ型の器具なども市販されており、またサージプロテクタが内蔵の無停電電源装置などもあるのですが、これらには全て限界があり、過信は禁物です。

日本の場合、一般民家以外の高層建物・機器に関する雷対策技術は世界トップレベルにあるそうで、例えば、世界の油タンク火災が圧倒的に落雷により発生しているのに対し、日本では統計のある1962年以降、落雷により発生した火災はわずか2件だそうです。

しかも最後の事故は1987年であり、以降、雷による事故報告はガソリンスタンドなども含めて1件もないといいます。

ところが、一般家庭への雷対策普及は遅々として進まず、年間、少なくとも数万件、数千億円の被害が発生し続けているといわれ、以前からも専門家の間で、「官民ともに一般の防雷意識が低い」ためであると指摘され続けてきた経緯があります。

前述のとおり、避雷器の普及も進んでおらず、その普及率が1~2%程度にすぎないというのは、強制力を持って一般家庭への避雷器設置が進められている欧米諸国と比べると、この数字は桁違いに低い数字だそうです。

法律的なことや電気配線のことはあまり勉強していないので詳しいことはよくわかりませんが、日本では、たとえ避雷器などがなくても、一般家庭の家屋内の現行の電気配線規程などをちょっと変えるなどの対策を講じるだけでも、80%以上の家庭で雷サージを防止できるようになるという研究結果もあるようです。

これまでのような無策のままでの雷被害の放置は行政の怠慢です。一般住宅の雷被害が年間、数万件も発生し続け、莫大な損失を出し続けているというような状況を改め、一刻も早く対策を施してほしいと思います。

某△務省消○局が推進している、悪名高き「火災報知器」の設置なども、全く無意味だとはいいませんが、所詮は小手先の対処療法にすぎません。火災が起こったあとに警報が鳴るような機械の導入を優先するより、こうした火災を予防する避雷器の導入のほうがよっぽど重要だと思うのですが、みなさんはいかがでしょうか。

さて、このように雷による建物や電気機器による被害も甚大な我が国ですが、雷の直撃を受けて亡くなったり、重傷を負ったりする人の数も少なくないようです。

とはいえ、落雷による被害のおよそ全数を把握する体制・システムすら整備されていないのが実情のようで、これも△務省がやるべきなのでしょうがその作業を怠っていて、数字としてあらわれてこない雷による軽傷事故がどのくらいあるについてはまったく不明な状況のようです。

ただし、死亡事故は記録されやすいのでわりとはっきりしていて、2005年時点の世界平均では、全被害者のうち死亡者は30%程度とされているのに対し、日本では被害者の70%が死亡しているといわれ、日本の落雷事故による死亡率は異常に高い状況です。

この理由としては、日本では雷が発生した場合、屋外にいたほとんどの人が、危険な木の下などで雨宿りをしたためと考えられており、こうした高いものに落ちやすい雷の特性をよく理解していないためのようです。

高いものに落ちやすい、と書きましたが、正確には、落雷直前の稲妻からの雷撃距離を半径とする球内にある最も近いところに落ちる、というのが正しく、これは稲妻の最終停止位置と高いものとの距離が雷撃距離以内になる確率が相対的に高いというだけのことです。

従って、高いものの近くにある低いものへ落雷する確率は確かに低くはなります。しかしこれはあくまで理論上の話であって、実際の雷雲に電気が溜まっている範囲は数キロ以上と広く、この範囲の中では、落雷の起きない場所を探すほうが困難といわれています。

落雷は雷雲下のみならず、雷雲の周辺までも含め、広範囲に不規則に発生する性質があるということであり、つまり、雷雲がやってきたらその近くにいること自体がそもそも危険ということです。

だからといって、高い死亡率は、これを防止していない役人のせいだというのは言い過ぎで、国民一般の間で、雷に対する危険度の認知が低いのが原因です。ただし、「防雷意識」の啓蒙が進んでいないからではないかというのが専門家のもっぱらの意見であり、この啓蒙活動を国が怠っていることも原因のひとつといえます。

ちなみに米国では2008年現在のデータで、年平均被害者数400名、死亡者数62名であり、死亡率は15.5%と低く、これはアメリカではトルネードと同じく雷の被害が大きいため、官民をあげてその危険性をアピールしており、国民もこのためこれらの災害がどれほど恐ろしいかを知っているためです。

そういえば、私などもあまり小中高校などでも、雷が来たときの対処の仕方を教えてもらったというような記憶がなく、むしろ雷鳴がしたら、高い構造物の下に避難しろ、といった間違った指導をされたような記憶すらあります。

今年の7月8日に東京の荒川近くであった落雷での死亡事故も、高い木の下に逃げ込んだことが被害を大きくした要因でした。

荒川の中州で釣りをしていた男性4人は突然のゲリラ雷雨に遭遇し、まず中州にある簡易休憩所として作られた屋根のある「あずまや」に駆け込みましたが、この小屋は簡易な造りだったため、横殴りの雨が厳しく当たるためここでの雨宿りを諦めました。

そして、中洲に植えられている大きな木の下に避難したそうですが、不運にもこの木に落雷があり、一人が死亡、2人が重傷を負いました。残りの一人は木から3メートル以上離れた場所にいたため軽症で済んだといいます。

この大きな木に落雷したというのも、たまたまであり、おそらくはこのほかにも高い木はあったことでしょう。落雷直前の稲妻からの距離が最も近いところが、この木のてっぺんだったからというだけのことであり、稲妻の発生位置が少しずれたいたら、少し背の高い程度の灌木にだって落ちていたかもしれないのです。

秋風の中

この例からもある程度想像できると思いますが、屋外にいて雷に遭遇した場合、つまりはどこにも安全な場所はない、と考えたほうが良さそうです。ただ、背の高いものには落雷する確率は高いということは間違いなく、雷光をみたら、高いものを避けるにこしたことはありません。

雷があっても、直ちに避難することができるような大きな建物がないような場所にはできるだけ行かない、あるいは雷の発生が予想される場所に出かけるときには、あらかじめ天気予報に十分注意することが必要です。そもそも雷の発生の恐れのあるときにはそこへ出かけるのをはじめから控えるのが鉄則です。

そして、それでもそういう局面に出くわしてしまった場合は、黒い雲の接近をみたり、雷鳴が聞こえたり、急な冷たい風を感じたときにはできるだけその場所から遠くへ逃げることです。

雷予報の活用もかなり有効といえます。

かつて雷の詳細な予報は困難であり、天気予報においても雷注意報などで注意を呼びかけるにとどまっていましたが、現代では、気象庁も落雷を予報する「雷ナウキャスト」を2010年から運用しており、これは、日本全国を精度1000m四方、60分先まで10分刻みの局地落雷予測を行うとい精細なシステムです。

しかし、雷の挙動は速く、雷雲の形成開始より、わずか10分程度で落雷に至ることもあれば、数十キロメートルの範囲で同時に落雷する、さらに前線に伴うものなどでは、同時刻に落雷の起きる範囲が数百キロメートルといったことも珍しくありません。

雷雲の形成開始よりわずか10分程度で落雷に至ることもあり、このため「雷ナウキャスト」といえどもピンポイントで「落雷警報」が出せるのはせいぜい10分前です。

従って、日本においては、現時点で雷から身を守る方法としては、まず外出前に雷注意報が出ているかどかを確認することと、外出先で雷ナウキャストのような電子情報が得られないような場合、黒い雲の接近・雷鳴・急な冷たい風などが発生したらすぐに大きな建物に避難することが唯一、身を守る方法です。

簡単なことのようですが、意外にこれがみなさんできていません。

情報がない場合、とかく我々は雷が鳴ると、大きな木の下に身をひそめ雨宿りを兼ねてここで雷が通り過ぎるのを待つ、といった行動をとりがちですがこれは間違っており、こうした場合にはひたすら高いものを避け、身を低くして、他人の家でもいいからともかく家屋に飛び込む、これだけでも、かなり死亡率は低くなっていくのではないでしょうか。

ただし、山の中ではそうはいきません。避難する建物もなければ、身をかがめようにも周囲は高い木ばかり、といった状況下に置かれるのは目にみえています。

このときの対策は、といえば、その答えとしては、対策はない、ということです。従って雷が発生する可能性のある時期にその山へ入ったこと自体が判断ミスということになります。

かつて、1967年に、西穂高岳落雷遭難事故という大きな落雷事故がありました。同年8月1日に長野県の西穂高岳独標付近で高校生の登山パーティーが被雷した事故です。

この日、長野県松本市の県立松本深志高等学校二年生の登山パーティーは、北アルプスの西穂高岳にて教員の引率による集団登山を行なっていました。この集団登山は個人での登山による危険を避けるため、希望者を集めて毎年学校が主催している行事でした。

参加人数は教員5人を含む計55人であり、7月31日に松本市を出発して上高地で一泊し、1日の朝から西穂高に登山して、翌日下山、松本市に帰る予定でした。

参加者のうちの9人は体調が心配されたため、残る46人で登頂が開始されましたが、正午過ぎから天候が悪化し、大粒のひょうまじりの激しい雷雨となったためパーティーは避難行動をとりはじめました。

避難路として選んだ道を下山し始めた午後1時半頃、途中のガレ場を一列で下っていたところに、一行は突然の雷の直撃を受けます。これにより生徒8名が即死、生徒・教員と同じ道を下山していた会社員一人を含めた13名が重軽傷を負い、事故直後に教員が点呼をとったところ、生徒3名が行方不明であることが判明しました。

すぐに事故現場にほど近い西穂山診療所の医師らが現場に向かい、遺体と負傷者を山稜にある西穂山荘に収容し、無事だった生徒と教員も山荘に避難しましたが、行方不明者の捜索は濃霧により翌朝まで延期されました。

同日夜には事件の一報を受け、たまたま近くの上高地にいた東京医科大学の医師2名が救援に駆けつけたほか、自衛隊松本駐屯部隊のレンジャー隊員らが自発的に救援に向かいました。松本深志高校にはその日のうちに対策本部が設けられ、同校長を含む教員5名が上高地に向かいました。

翌朝には長野県警と高校OBによる行方不明者の捜索が開始されましたが、不明になっていた3名は、結局尾根から300メートル下ったガレ場で遺体となって発見され、これによりこの事故での犠牲者は合計11人となる大参事となりました。

同日の朝には無事だった教員と生徒が下山を開始し、自衛隊のヘリコプター2機が現場に到着して負傷者を松本市の病院にピストン輸送をはじめ、遺体は高校OBの手で上高地まで下ろされた後、同じく自衛隊のヘリで高校まで輸送されました。

登山中のみならず通常の落雷事故としても一度にこれほどの死者・負傷者が出た前例はなかったため、この事故では、新聞各紙が一面で報じるなど大々的に報道され、全国に衝撃を与えました。

学校登山の歴史に残る大惨事であり、1913年(大正2年)に同じ長野県の中箕輪高等小学校(現・同県上伊那郡箕輪町立箕輪中学校)の生徒が気象遭難し、計11名の命が失われて以来の大事故でした。ちなみに、この中箕輪高等小学校の事故は、作家の新田次郎が、「聖職の碑」と題して作品化しています。

長野県はこうした学校をあげての登山を行うことがさかんな県として有名ですが、県下ではこの落雷事故の影響で登山行事を一時的に中止し、これを契機にこうした行事を廃止した学校も少なくなく、またこの当時は引率教員の責任を問う声もありましたが、最終的に過失責任は問われませんでした。

山中湖にて

この当時、事故発生当日の気象状況についてはよくわかっていませんでしたが、その後1990年代になってから、この当時の落雷発生のメカニズムが次第に解明されるようになり、と同時にこうした時期の登山の危険性が次々に明らかにされるようになりました。

その結果として、落雷による人身事故は適切な安全対策を実施することによりある程度少なくすることが可能である、と考えられるようになり、避雷の知識を事前に十分習得し、雷の性質に対する正確な認識をもとに事前に準備しておけば、事故の発生は十分に回避できると、いわれるようになりました。

しかし、登ってしまってから落雷の発生を知っても遅く、このため落雷に遭う危険性のあるような高い山への登山については、雷の発生が少しでも予想されるのならば、迷うことなく中止判断されるべきである、とも考えられるようになりました。

こうして、平成20年から文部科学省は学校での安全教育、災害安全に関するものとして、小学生から高校生までそれぞれを対象にした「災害から命を守るために」という防災教育教材を配るようになり、この中で落雷被害防止について詳細な解説に及ぶようになりました。

その内容としては、例えば、

・厚い黒雲が頭上に広がったら、雷雲の接近を意識する必要があること。
・雷鳴はかすかでも危険信号であり、雷鳴が聞こえるときは、落雷を受ける危険性があるため、すぐに安全な場所(鉄筋コンクリートの建物、自動車、バス、列車などの内部)に避難する必要があること。
・また、人体は同じ高さの金属像と同様に落雷を誘因するものであり、たとえ身体に付けた金属を外したり、ゴム長靴やレインコート等の絶縁物を身に着けていても、落雷を阻止する効果はないこと。

などがあり、これらにはそれまでの研究者による科学的な知見に基づく研究成果が生かされています。

また、「屋外での体育活動をはじめとする教育活動においては、指導者は、落雷の危険性を認識し、事前に天気予報を確認するとともに、天候の急変などの場合には躊躇することなく計画の変更・中止等の適切な措置を講ずること」の一文にもあるように、学校関係者に対しては、危険性のある登山は危険が察知された段階で中止するよう釘を刺す文面となっています。

そして平成25年6月に文部科学省は、指導者、すなわち引率教員などの個人レベルで、有事にはためらうことなく落雷事故防止のための適切な措置を講ずる旨(つまり迷ったら中止するという意)を全国の小、中、高等学校等に通達しています。

実は、こうした通達措置は、欧米諸国に遅れること20年以上も経っているといい、それまでそうした通達すらされていなかったことが驚きですが、これによって日本でもようやく落雷人身事故は「人災」と認識されるようになり、正式に欧米諸国と同程度の具体的な取り組みが各学校単位で実施されるようになりました。

以上みてきたように、日本における雷対策というものは、建物や電気器具だけではなく、人の命を守るという点においても、長い間十分な対策が取られてきていないことがわかると思います。

地球温暖化のためもあってか、雷被害は年々増加しているといわれており、今後はたとえ、官公庁が定めていなくても自前で被雷器を導入したり、落雷に対する正しい知識を持ち、間違った行動をとる人を諌め、適切な避難行動をとれるようになることが大切です。

ちなみに、避雷器っていくらぐらいするの?と調べてみたところ、配電盤にとりつけ家全体をカバーするような大掛かりなモノでない限りは、5000円前後で手に入るようです。

最近は、避雷器付きのUPS(無停電電源装置)なんてのもあるようなので、停電対策と雷対策を兼ねたい人にはこうしたものを探すのも良いでしょう。私も大事なデータの入っているパソコンにだけは、この装置を導入しています。

が、いかんせん、そうしたものをどのように導入すればいいのかといった、指針のようなものを国が主導して示すことが先決でしょう。

政府は火災報知器の導入なんて後回しにして、本当に必要なこうしたものの普及に努力して欲しいと思うしだいです。

さて、お盆は終わってもまだまだ暑い日が続きそうです

そういえばまだ今年はスイカを食べていません。暑い日が続いているうちに、ほんのちょっとだけでも夏の気分を味わいたいもの。今日は午後から買いに出かけましょうか。

戸田港にて