こころの旅へ

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ひさびさの書き込みです。

ほぼ一年ぶりになります。

更新がないので、「おまえは既に死んでいる」、と思っていた方も多数いるでしょう。

たしかに私も、過去5年間ほどのあいだ、いろいろなことを書いてきて、ネタも尽きかけた感もあったので、そろそろ終わりにしてもいいかな、と思っていたきらいはあります。

が、実は、昨年春より勤め始めた仕事先の業務に忙殺され、更新もままならなかった、というのが本当のところです。

書こうと思えば書ける時間もないではなかったのですが、そこはやはり、いろいろなことを書いてきた中で、エネルギーが尽きた、というのもある程度本音です。

それにしても、一年を過ぎてなお、アクセス数がほとんど減らないのには驚きました。あらためて、当サイトを見てくださっている方々が多数いることを知り、仕事が一段落した現在、もう少し続けていこうかという気になっています。

なので、これまでと同じペースではありませんが、少しずつまた書いていきたいと思います。またお付き合いください。

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さて、最近、タエさんに勧められてある本を読みました。

7つのチャクラ
魂を生きる階段
本当の自分にたどり着くために
キャロライン・メイス・著  川瀬勝・訳  サンマーク出版(文庫版もあり)

この本は、神学者で直観医療者であるキャロライン・メイスさんが著者です。直観医療(Intuitive Medicine)とは、超感覚(サイキック)能力を使って体内の臓器の物理的・エネルギー的な情報を読み取り、その情報に基づいて行う医療のことです。

超感覚(サイキック)能力を使った医療というと、なにやら怪しげに聞こえるかもしれませんが、 アメリカでは歴史が長く、すでに数多くの直観医療者が医師とタッグを組んで働いているといいます。最近では、アメリカだけではなく日本でも、多くのプロフェッショナルの医療従事者が直観力を使って治療を行っているようで、「直観医療」で検索すると、いくつかのサイトに行きつきます。

なじみがないことばなので、戸惑うかもしれませんが、例えば、優れた医療技術を持つ医師や看護師は、長年の経験などにより、検査の数値にかかわらず患者さんの重症度や危険度をある程度「察知」できるといいます。

長年医療に携わってくると、単に人の傷ついた状態だけでなく、なぜその状態に至ったのかなどの心理状況など、その原因を探る手がかりを得ることが多くなるそうです。こうした「直観能力」が研ぎ澄まされてくると、正確な診断や治療が行いやすく、患者さんにとってもよりよい治療が受けられるようになります。

おそらくこれは、いわゆる「第六感」に近いものでしょう。自分自身を振り返ってみても、微妙な体調の変化を感じとったり、何となく危険を感じてそれを回避できたり、もしかしてこれって病気になる前兆では、と気づいたりするといったことはあるのではないでしょうか。

実は誰でも無意識に「見えない」情報を受け取ってそれを利用しているようで、それにより、自分がこれからどういう状態(容体)になるのかは、自分でもわかっているのでは、といわれています。とどのつまりは、誰もが第六感によって、自分が病気になるかどうかを察知している、というわけです。

このような、通常は曖昧で漠然としていて無意識に使っているその感覚を、医学の専門知識に基づいたトレーニングによってさらに洗練させていき、人体から良し悪しの情報を得、それを治療につなげていくことに特化し発展させたのが「直観医療」、ということのようです。従って、訓練さえすれば、誰でもとはいいませんが、多くの人が直観医療を施すことができるようになるそうです。

この直観医療者、キャロライン・メイスが提唱する、「7つのチャクラ」は、アメリカではかなり広く知られている名著だということで、チャクラやエネルギー、心と体の繋がりに興味を持つ人には、結構知られています。原題は“Anatomy of The Spirit”、つまり「魂の解剖学」で、そのタイトル通り、臨床事例を交えながら、かなり学問的、論理的に書かれた内容になっています。

少々難解なフレーズが多いのが難点ですが、かなり科学的な視点で書かれているので、いわゆるスピリチュアルは苦手、という方にでも割と受け入れやすいのではないでしょうか。わたしが入手したものは、かなり前の版ですが、いまで販売しているはずです。今度の連休に、どこへも行く予定がない方は、購入されて読んでみてはいかがでしょうか。

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さて、その内容ですが、端的にいうと、人が生きていく上において、その魂をいかに磨いていくかの要諦を、「気」の視点から述べています。

「チャクラ」の解説については、それこそあまたの人がこうしたテーマに関する本を書いていますが、この本では、人生を送っていく上においてあまたある「恐れ」への対処の仕方が大きなテーマです。こうした恐れに対し、これを乗り切るための「自分自身を信じる心」との関係の上において、私たちの「気」がどのような影響を受けるのかということをわかりやすく解説しています。

それにしても、そもそも「チャクラ」とはなんでしょうか。インドなど南アジアおよび東南アジアにおいて用いられた古代語、サンスクリットでの意味は、「円、円盤、車輪、轆轤(ろくろ)」を意味するようです。つまり人の体や精神を「動かしているもの」ものこそが、チャクラということのようです。

一方、ヒンドゥー教の「タントラ」と呼ばれる経典、あるいは、「ハタ・ヨーガ」と呼ばれるヨーガの法典、仏教の後期密教などでは、チャクラとは、人体の頭部、胸部、腹部などにあるとされる「中枢」を指す言葉として用いられています。

では、「中枢」とは何か。一般的には、「重要な部分」を指しますが、医学的には、中枢といえば、「中枢神経系」または「神経中枢」のことを指すようです。従って、いろんな解釈や批判もあるでしょうが、ここではつまりチャクラとは、私たちの体に張り巡らされている神経系のうち、「一番重要な部分」ということにしておきましょう

このチャクラは、漢訳では、輪(りん)とも訳されます。輪といえば、宮本武蔵の著した兵法書、「五輪の書」を思い浮かべますが、この五輪とは、密教の五輪「地・水・火・風・空」のことです。五輪の書は、それになぞらえての五巻に分かれており、それぞれの巻で兵法の奥義が書かれています。

人の体のことを「五体」といい、日常でも「五体満足」とよく言ったりしますが、この五体ももともとはこの五輪から来ていて、仏教においては、頭・両手・両足の5つの部分のことです。

もともとヒンドゥー教で言われていたチャクラはふたつ多く、7つだったわけですが、その思想が、中国や日本に伝来するにつれ、数やその意味の上において5つ、ということで変化していったのでは、と私は考えています。

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以下がそのオリジナルのヒンドゥー教由来の7つのチャクラです。

●第1のチャクラ
・身体系・臓器:身体の構造部分、背骨の底部、両足 骨格、直腸、免疫系
・精神・感情面の問題:家族・集団の安全、物理的生存に必要なものを提供する能力、自分自身の為に立ち上がる力、安心感、社会 家族の掟 法と秩序
・身体の機能不全:慢性の腰痛、坐骨神経痛、うつ病、直腸腫瘍/ガン、免疫系疾患

●第2のチャクラ
・身体系・臓器:性器 大腸、脊椎下部、骨盤 盲腸、膀胱
・精神・感情面の問題:批難 罪悪感、お金 セックス、力 支配 創造性、人間関係での倫理 尊厳
・身体の機能不全:慢性の腰痛、坐骨神経痛、産婦人科系の問題、骨盤の痛み、性能力、泌尿器系の問題

●第3のチャクラ
・身体系・臓器:下腹部、胃、小腸、肝臓 胆のう、膵臓、副腎、背骨の中心部分
・精神・感情面の問題:信頼 恐れ 脅迫、自尊の念 自信、自分や人を大切にすること、決めたことに対する責任、批判への反応、個人の尊厳
・身体の機能不全:関節炎、胃潰瘍 十二指腸潰瘍、大腸系の問題、膵臓炎、糖尿病、慢性急性の消化不良、過食症 拒食症、肝臓障害、肝炎、副腎系の病気

●第4のチャクラ
・身体系・臓器:心臓、循環器系、肺、肩、腕、あばら骨、乳房、横隔膜、胸腺
・精神・感情面の問題:愛と憎しみ、拒絶感 反感 悲しみ 怒り、自己中心性 寂しさ、コミットメント、許し 悲しみの心、信頼 希望、
・身体の機能不全:充血性心臓疾患、心臓肥大 心筋梗塞、ぜんそく、アレルギー、肺がん 気管支炎、背中 肩の痛み 乳がん

●第5のチャクラ
・身体系・臓器:甲状腺、喉  気管、首の骨 口、歯と歯茎、食道 視床下部
・精神・感情面の問題:意志、選択の力、自己表現 夢を追うこと 創造力、中毒症、価値判断 批判、信心 知識 決断力
・身体の機能不全:慢性の喉の痛み、口唇性の潰瘍、歯茎の障害、一過性の下顎の関節の問題、脊椎側曲、喉頭炎、甲状腺障害

●第6のチャクラ
・身体系・臓器:脳、神経系、目 耳 鼻、松果体、脳下垂体
・精神・感情面の問題:自己評価、真実、知性の力、人の考えを受け入れること、経験から学ぶ力、感情の成熟度
・身体の機能不全:脳腫瘍、脳出血、神経系の障害、視覚・聴覚障害、神経系の障害、背骨全体の障害、学習障害 ひきつけ

●第7のチャクラ
・身体系・臓器:筋肉系、骨格系、皮膚、
・精神・感情面の問題:人生に対する信頼価値観、倫理 勇気、人道主義、自己犠牲の精神、大きなパターンを見る力、信心 ひらめき、霊性 献身、
・身体の機能不全:気の障害、神秘家のうつ状態、身体の障害とは無関係の慢性疲労、光 音などの環境要素に極度に敏感になる状態

それぞれの体の部位における状態が、精神面や感情面の状況を左右しており、それが悪くなれば身体の機能不全や傷害を起こす、というのがヒンドゥー教の教えにおいて確立された論理です。

メイスさんも長年携わってきた直観医療において、この7つのチャクラが人体と心のバランスをとるために誰にでも備わっていることを確信した、といいます。

そして、そうしたチャクラとのバランスに配慮しつつ、人生をつくる体験が、人の身体をつくる、と言っています。よりよき人生を送るためには、内面を見つめる心を持つことが重要であり、そのためにも「直観力」を養うことが重要とも書いています。そして、その直観力を高めるための、「3つの法則」についてふれています。

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その法則の一つ目は、「身体は人生の履歴書」ということです。

メイスさんが提唱する「気の医学」によれば、私たちは皆、「歩く履歴」そのものです。そしてその現在の身体の健康状態というのは、それまで長年培ってきた人生の履歴の体現です。自分の持つ強みだけでなく、弱み、希望だけでなく、恐れなどが我々の体にも形を変えて出てきます。

とくに、痛みや恐れが表出してくるような場合には、「自ら病気を作り出している」といえるような状態になってきます。しかし、意識的に病気を作り出しているのではなく、身体にとって有毒な行動パターンや態度だと「気づき」を得ないでいる結果、病気や痛みは発生してくる、といいます。

人生においては良いこと悪いこともありますが、とくに悪い状態のとき、無力感を生み出すような態度や考え方は禁物です。自分を愛する心を低下させるだけではなく、肉体からエネルギーを枯渇させ、全体的な健康を弱めてしまいます。つまり、「気」が弱い状態であり、そうしたとき、上の7つのチャクラ毎にあるような、身体のどこかの部分に病気や痛みなどの疾患が発生するのです。

法則の二つ目は、「健康でいるためには内面の力が欠かせない」ということです。

最近は、通常の医療措置が効果を示さなかった場合、心理療法、電気を使った頭骨刺激、色療養、光両方といった、いわゆる「代替療法」が使われるようになってきています。通常の医療で治療ができない、ということはすなわち既にもうその人の病気は我々の科学を超えて進行するたちの悪いものであり、そうした人に対して通常治療を施してもなかなか成功しません。このため、最後の手段でとして代替療法を行おう、とするケースが多いようです。

メイスさんによれば、そうした状況で代替医療を成功させるためには、その本人が「内面的な力」を持っていなければならないといいます。私たちの人生は、「力」の象徴を軸に築き上げられています。お金、権威、地位、美、安定などがそれで、人生を満たす人間関係もそうです。そして人生の一瞬一瞬において個々がしていく選択は、「内面の力の象徴」です。

例えば、自分より強い力をもっていそうな人に反論するのをためらうことはよくあることですし、断る力がないとあきらめて同意します。その瞬間はそれでよかったとしても、同じことの蓄積の中で、やがてその人の「気」は傷ついていきます。内面の力が外部の力に屈するわけです。「内面の力の象徴」とは内部の力と外部の力のバランスの状態といえるでしょう。そして、そのバランスが崩れていることを知らずに、日々を暮していると、ある日、病気になっている…

そうした場合の治癒を起こすためには、私たち自身の真実、自分が抱える問題をとのように自分が作り出しているかについての真実を知ることが必要です。そして周りの人間とどういう関係を持っているか、力のバランスに負けていないか、といった真実をまず見つけることです。大切なのは、まず自分の心の内面の象徴が、何であるかを明確にすること。そしてその象徴と自分との物理的な関係は何か(肉体や精神のどこが蝕まれているか)を理解することです。

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例えば、その象徴がお金である場合。お金に執着し、これを得るために働きづくめに働いた結果、深刻な病気に罹ってしまう…。自分の健康を金稼ぎに「同調させて」いた結果です。こうした場合には、難しいことですが、お金に対する自分の気持ちを一度手放してみる。執着をやめ、お金なんてなくてもいいさ、生きていけるさ、といった心境になる。そうして、身体や直観が伝えてくれるメッセージに耳を傾ければ、どんな病気に対しても、癒しが起きる環境は整えられてきます。

3つ目の法則は、「自分の癒しを助けられるのは自分だけ」ということです。

「気の医学」はホリスティックな医学です。ホリスティック(Holistic)という言葉を聞きなれない人が多いと思いますが、ギリシャ語で「全体性」を意味する「ホロス(holos)」を語源としています。現在、「ホリスティック」は、「全体」、「関連」、「つながり」、「バランス」といった意味をすべて包含した言葉として解釈されていますが、的確な訳語がないため、そのまま「ホリスティック」という言葉が使われています。

健康な状態、病気の状態に関係なく、人間の「からだ」というものは、常に全体的にとらえる必要があります。そして、ここで言う人間の「からだ」とは、肉体だけでなく、精神・心・霊魂の総体であり、すなわち人間そのものを指します。肉体以外の精神や心、霊魂の全体のバランスを考えて治療行うのが「気の医学」というわけです。

メイスさんは、「自分の健康を作り出す責任は自分にある」といいます。つまり、多くの場合、病気がかなり深刻な状態になる前のある一定のレベルでは、自分が病気の発現にも関わっており、自分を癒すことで、病の癒しに関わることも可能だといいます。

しかし、単に肉体だけを癒すのではなく、その治療の上において、感情的・心理的・肉体的・霊的な存在としての自分を、同時に癒すことが必要です。「癒す」と「治す」は同じ意味ではなく、「治す」とは病気の身体的な進行をコントロールできる、あるいは抑えられるということですが、「癒し」とは自分から取り組む積極的な内面へのアプローチです。

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癒しが必要な段階というのは、精神や心、霊魂の全体のバランスが崩れ、間違ったものの見方や、思い込みが激しい、といった状態です。こうしたとき、病はいつの間にかあなたのそばにいます。こうした場合、これまでのものの見方や記憶、信念などを見直し、自分が感情的、霊的に百パーセント回復しようとする妨げになる否定的なパターンを全て手放したい、と欲することが病気からの快復の上で重要です。

この内面の再検証の過程において、明確な意思を持って生きる人生を改めて作り出そうとするとき、それは必ず、自分自身の見直しだけでなく、自分の周りの状況の見直しへも繋がってきます。ここで言う「意志」とは、自分の人生についての真実、そして自分が気をどういう形で使ってきたのかについての真実を見据え、それを受け入れられる意思です。

気を、愛と自己敬愛の気持ちや、健康を創造するために使い始めようとする意志の事でもあります。ホリスティックな療法を成功させるためには、患者自らが自分の癒しの過程に百パーセント関わっていこうという気持ちが必要です。

もしもあなたが病気にかかってしまったとしたら… もしあなたが積極的な患者ならば、そうした自分の癒しに積極的に立ち向かおうとする気持ちが、その治療の効果を高めます。

逆に、「何でもいいから、とにかくやってくれ、治してくれ」という他力本願の受身の態度では、癒しは得られず、また治しも達成されないでしょう。回復はするかもしれませんが、病気の源であったものにきちんと対処しないで終わってしまうのです。

最後に、何よりもまず、癒しはひとりでする作業です。誰も本人の代わりに癒してあげられる人間はいません。もちろん助けることはできますが、癒されるために執着を捨てなければならないつらい体験や記憶をその人に代わって手放してあげることはできません。

さて、もうじき大型連休が始まります。もしどこへも行く予定がない方は、このブログを読んだのを良い機会とし、自分自身の癒しのための心の旅に出てみてはいかがでしょうか。

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