外出しようとすると雨が降り、昨日も結局終日雨でした。しかし、三連休は終わってしまいましたが、秋が深まる中、伊豆の観光もこれからが本番というところではないでしょうか。
さて、そんな伊豆の中でもハイキングコースとして人気の高い達磨山のことについて書いておきましょう。先日「初登頂」して以来、書きそびれていましたから。
達磨山は沼津市と伊豆市との境界にある982mの山です。山頂にかなり近い戸田峠や静岡県道127号線(旧西伊豆スカイライン)の途中まで車で行けることから、日帰りヒッチハイクにはもってこいの山です。
このブログを参考にして登山される方もいるかと思いますので、最初にその登山ルートについて、書いておきましょう。
おそらく多くの方が自家用車で行かれると思いますが、まず気になるのが駐車場の問題でしょう。戸田峠からのルートをとられる場合、ここには大き目の駐車場があり、おそらく20台以上の車が止まれると思います。ゲートなどはなく公共の駐車場なので無論無料で出入り自由です。
この駐車場は、休日はかなり混雑する可能性はありますが、通りがかりにここが満車になっているのを私はみたことがありません。ここからの達磨山までの距離は約2.2kmです。
もうひとつ、達磨山直下にも駐車場があります。ここのスペースはかなり狭く、車2台もしくは詰めて3台ほどです。ただ、これより200mほど下ったところに舗装はされていませんが、車が進入可能な空き地があり、ここなら30台ほどが止まれます。この駐車スペースもゲートなどはなく、常時オープンなはずです。
どちらを起点にされるかは自由です。どちらも登山道は非常によく整備されていて、さすがにハイヒールは止めたほうが良いと思いますが、スニーカーやジョギングシューズ程度でも十分対応できるでしょう。ただ、途中ぬかるんでいるところもありますから、町歩きの革靴はやめておいたほうが良いと思います。
戸田峠からのコースも達磨山直下からのコースも駿河湾と富士山の大パノラマが望めて非常に眺めの良いコースです。お天気の良い日で、少し運動もかねてリフレッシュしたい方は前者、時間がなくて、ほんの少しだけ登山気分を味わいたいという人は後者を選べばよいでしょう。前者の場合、所要時間は登り40分ほど、後者の場合は15分といったところでしょうか。
戸田峠から登る場合、駐車場すぐ脇に案内看板がありますから、これに従い伊豆山稜線歩道を登ってゆきます。ここから達磨山頂まで2.2kmです。登山道は木の階段で整備されているところと、何も整備されていない区間が交互にあらわれ、それをトレッキングしている合間合間に、駿河湾や富士山が望めます。途中、戸田港を一望に望めるところもあるほか、南のほうに目を向けると恋人岬の先端も見えます。
途中、稜線上の小峰といった感じの場所を通りますが、ここは小達磨峠と呼ばれています。が、山頂は狭く、木々が生い繁っていて展望はありません。ここからは、せっかく登ったのにと思うかもしれませんが、少し下ります。すると、旧西伊豆スカイラインの車道(県道127)がみえてきます。スカイラインの横には前述の舗装のない駐車スペースがあります。
ここから、車道に出たら、ほんの100m程あるけば、達磨山と直登のための登山道入り口があります。ここには舗装された駐車スペース3台分があります。が、休日はもちろん、平日の昼間ならおそらくここは満杯でしょう。私が行ったときにも早朝にも関わらず帰りにはもうスペースが埋まっていました。
ここから達磨山山頂までは、木造りの階段の緩斜面が続き、これを喘ぎ喘ぎ登れば、あっという間に(15~20分程度)で山頂へ辿り着きます。正確な標高は981.8m。一等三角点が設置されています。山頂は大きな岩と小さな岩の間に畳三畳分ほどですが、平坦な場所がある程度です。なので、大勢で行ってお弁当を食べるには不向きです。
頂上から西の沼津方面を望む
頂上から東方の伊豆スカイライン方面をのぞむ
が、ここからさらに南の船原峠へ向かう道があり、頂上から100mも下らないうちの途中途中にも「お店」を広げる場所が随所にありますから、頂上が他のグループに占領されていても大丈夫でしょう。
帰路は戸田峠からの方はもと来た道を戻るだけです。下り部分が多くなるので、往路よりも多少早く帰れるでしょう。帰る途中、晴れていれば真正面には富士山が見えるはずです。
達磨山直下の駐車場付近から直登された方は言わずもがなです。すぐに下れます。でもせっかくですから、広大な駿河湾と富士山に囲まれた伊豆の風景を満喫しましょう。
ところで、この達磨山山頂からはさらに南の船原峠へ続く登山道が続いています。稜線上の一本道であり、ここからの駿河湾と西伊豆の眺めは抜群です。さらに体力や時間のある方はこれにチャレンジしても良いかもしれません。
私が登ったときにも、戸田峠から来られた若い男性一人が、達磨山山頂から船原峠方向へ駆け足で立ち去って行かれました。おそらく「鉄人レース」などに出場されている猛者なのでしょう。この登山道は本当によく整備されているので、そうしたトレーニングにも最適かもしれません。
さて、その達磨山の頂上からの眺めですが、山頂付近はササで覆われているものの、このササはひざほどまでの高さしかなく、ほかには視界を妨げるような大きな木は一切ありませんので、文字通り360度の視界が開けます。
富士山や駿河湾はもとより、南側に連なる天城山も見え、東に目を向けると伊豆半島を南北に走る山稜を見渡すことができ、修善寺温泉方向の谷も見渡せます。私が行った日は、晴天だったのですが、富士山方面にだけ雲がかかり、富士山の頂上が見えたのはほんの一瞬でした。
しかし、駿河湾のはるかかなたには御前崎を見てとることができ、さらにその向こうには南アルプスの白い山々を望むことができ、ラッキー!というかんじでした。
山頂から下の山腹は笹原の間にところどころごつごつした岩が飛び出ていて、改めてここが火山であることがわかります。よくみると山頂にころがっている岩も黒っぽい灰色で、小さな穴が開いているものも多く、その昔火山弾だったもののようです。
達磨山は、80万年前から50万年前の火山活動で形成された火山です。もともとはもっと大きな成層火山だったようですが、長い年月の間に大きく浸食されて今のような峰になったそうです。古代の達磨火山の最高地点には間違いないそうですが、ここに火山の噴火口があったわけではなく、その火口は山頂から下った西側の斜面方向にあったと考えられています。
旧達磨成層火山の浸食が進み、固い部分だけ残ったのが現在の達磨山で、このため近くでみると火山のようには見えませんが、いったん下山して、山体の東にある達磨山高原レストラン付近からみると、大きな火山特有のなだらかな裾野を持っているのがわかります。
その姿がどっしりと座禅をしている達磨のように見えることから地元の人が達磨山と呼ぶようになったのだとか。
また、この山頂部分に天狗が住んでいたといわれ、その南にそびえる天城連山の万次郎、万三郎と兄弟だそうで、「番太郎」と言う別名もあります。「太郎」であることから、万次郎岳、万三郎岳のお兄さんということになります。万三郎岳が1405m、万次郎岳が1299m、達磨山は982mですから、この兄弟はお兄さんほど背が低いということになります。
この達磨山には、戸田峠からさらに東側にある「だるま山高原レストハウス」からも登山道が整備されていて、このだるま山高原レストハウスについては、これまでも何度かレポートしてきました。車が30~40台ほども止まれる大きな駐車スペースとトイレが整備されていて、「レストハウス」内でお食事や喫茶もできます。
駿河湾越しの裾野の広い富士山が展望ができ、沼津市街が一望です。無論天気がよければ御前崎や南アルプスも見通せます。ここからも達磨山の南側にある金冠山や達磨山方面へ行くハイキングルートが出ていて、その途中に戸田峠があります。
なので、時間の更にある人は、ここに車を止めて、半日がかりで達磨山まで登り、頂上あたりでお弁当を食べて帰ってくる、なんてこともできます。家族連れのピクニックには最適なコースです。なによりも道が整備されていて、眺めが最高なのがいいですね。
但し、達磨山山頂付近にトイレはありません。戸田峠にもありませんので、とくに女性の方はその対処法を考えてから登られることをお勧めします。
今日のところはこれくらいにしたいと思います。今回私が登山したときは、はっきりと富士山が見えなかったのが残念ですが、近いうちにリベンジしたいと思います。みなさんが達磨山に登られる時は晴れていてきれいな富士山が見えるといいですね。お祈りいたします。