免許とウソと…

2014-1100348もうすぐソチオリンピックが始まります。

時差マイナス5時間ということで、あちらでは夕方でも日本では真夜中過ぎに行なわれる競技も多いと思われ、また寝不足になりそうな予感です。

地球という回転している天体に住んでいる以上、太陽の当たるところと当たらないところがあるのは当然であり、時差ができるのは仕方ないと重々承知はしているのです。

が、それなら「オリンピックタイム」なるものを設けて、これに合わせて各国ともオリンピック期間中だけ時間をこれに合わせて仕事も生活もする、とかやったらどうかと思うのですが、ダメでしょうか。

もっとも、オリンピックなどのスポーツ競技が好きな人ばかりではなく、ウチの息子君のようにまるで興味がない、といった朴念仁もいるので、さすがに地球人全員にこうした仕組みを強制するのは難しいでしょう。

スポーツをやらない人はこれに興味がなく、ほかの趣味にしたって自分がやったことのないものに愛着がわかないのは仕方のないこと。

幸い、嫁のタエさんはスポーツ観戦が大好きなので、今回も二人して夜なべでオリンピックを観戦することにしましょう。寝不足になって、日夜逆転状態が続くことは覚悟するしかありません……

ところで、この息子君が、一昨日からひょっこり我が家に帰ってきています。今は春休みで、この空いた時間を利用して、浜松にある自動車学校で合宿免許を取りたいというので、なけなしの金をはたいて、これをOKしたところ、晴れて先日の路上教習をパスしたのです。

合宿が終わったので、通っている千葉の大学に帰る途中、我が家に立ち寄ったというわけなのですが、今までクルマの話題を振ってもとくに関心をみせなかったところが、今回は道交法に関する話や、クルマの性能などの話で親子して盛り上がることができ、また新たなコミュニケーションの糸口を見つけた感があります。

それにしても、なぜ千葉から浜松なのよ、ということなのですが、これは最近は少子化で18歳人口減少したり、若者の車離れが顕著になっており、これに伴い、都市部を中心に各教習所間の競争が激化しているためのようです。

道路交通法によって公安委員会の指定を受けて営業する、いわゆる「指定自動車教習所」などを中心に、これまで「殿さま商売」的な営業を続けて、サービス業としての自覚が持てなかったこれらの教習所が、顧客に対する態度の悪さなどがツケとして回ってバタバタと倒産している、という背景があります。

こうした指定校以外の、いわゆる届出自動車教習所や指定外自動車教習所では、自らが検定や仮免許試験を実施が認められていないのに対し、指定校では公安に認められているため、自らが検定や仮免許試験を実施することができます。

受験生にとっては、いちいち運転免許試験場まで行って仮免許技能試験や仮免許学科試験、本免許技能試験を受ける必要がないため、免許を取るために大幅な時間節約になります。

しかし、そうしたサービスを自前でやることができるという「特典」の上にあぐらをかいてきた結果、熱心にサービス・接遇、料金のディスカウントに取り組んできた他の未指定の届出校や指定外教習所に客を盗られ、競争が激しくなってきました。

このため、地方部の不採算校では「合宿教習」を売りにして「短期間で免許が取れる」をうたい文句に、東京などの関東地方で免許を取りたがっている学生に積極的に声をかける、という作戦に出るところも多く、我が息子君もこれにひっかかった、というわけです。

多くの自動車教習所では普通自動車においては、おおよそ60時間程度の講習カリキュラムが組まれています。通常は、これらを自宅から日通いで数週間から数か月の期間で習得していくのですが、合宿免許では寮やホテル、旅館といった宿泊施設に泊まりこみながら教習を行うため、短期間で免許が取れる確率が高くなります。

集中して、免許取得に取り組むことで効率性が高まるためであり、ウチのような愚息であっても、15日間で路上試験をパスすることができました。ただ、地方で路上試験を受けたため、最終的な免許取得は、千葉に帰って地元の運転免許センターで最終筆記試験に受かってから、ということになるようです。

しかし、こうした指定校が行う合宿教習も、宿泊施設などの管理や仲介業者への手数料負担がこれを経営していく上で重くのしかかってきており、厳しい経営環境で回復の見込みが立たないこともあって廃業するところが2000年頃から目立ってきているということです。

それにしてもよく思うのですが、日本の運転免許取得は、どうしてこんなに難しいのでしょう。学科や路上に多大な時間をかけ、しかも「仮免許」なる段階を経て免許をとらねばならず、時間や段取りだけでなく、一般に教習所に通えば通常は、免許取得まで20万円ほども費用がかかります。

私も息子と同様に大学時代に免許を沼津で取得しましたが、その後アメリカへ留学していた折には、彼の地のライセンス取得に挑みました。しかし、「挑む」というほど難しいわけではなく、簡単な教習本を理解する程度の英語力があれば、だいたい誰でも免許を取得できます。

筆記試験は、多言語での試験問題が用意されており、最近は日本語で受験できる試験場もあるようです。合格に必要な視力も0.5以上とゆるく、取得年齢は州によって異なるのですが、ほとんどの州が16歳以上でOKです。

日本と異なり、助手席に指導者が乗車していれば、全く運転をしたことがない人が「練習中」と表示して路上で練習してよいところもあり、実技試験も日本よりかなり簡単です。

私はフロリダのゲインズビルというところで、この州の免許を取ったのですが、このときの路上試験の試験官は太った優しそうなオバサンでした。

数百メートルの距離の行き来と、各所のコーナーを回る程度の簡単ルートを走り、この間、ウィンカーの出し方やスピード制限の標識を遵守しているか、などのチェックがありますが、日本の路上試験のように、前を行く車との車間距離を開けなかっただけで試験に落ちた、といったような厳しさはありません。

おそらく、10分か15分ほどの路上試験だったと思いますが、あっけなく合格し、免許証もその日のうちに交付されたように記憶しています。

今はもうこのとき取得した免許は失効していますが、英語もかなり堪能になった現在は、再び同じチャレンジをしても簡単に取得できるでしょう。が、もしかしたら失効した免許を持参すれば、復活させてくれるかもしれません。

それほど、アメリカでは免許の取得が簡単ですが、これはやはり国土が広大で、その移動のためにはクルマが不可欠であり、免許は誰にでも取らせる、という方針があるからでしょう。

日本のように国土が狭く、クルマも人もひしめいているようなところでは、交通事故も起こりやすく、免許取得についても厳しくせざるを得ない、というのは分かる気もします。それにしても、免許取得に多額の費用のかかる現在の制度は、もう少しなんとかならんのかいな、と思います。

最近では、個人で免許取得のレッスンを格安にやってくれる人もいるようです。無論、未指定にはなりますが、費用が安く抑えられ、こうした人達に教習を頼む人も増えているようです。自動車教習所もこれを見習って、システムをさらに見直していってほしいものです。

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ところで、こうした日本の免許の取得が難しい難しいというのですが、自衛隊にも、軍の車を運転するために隊員を訓練する「自衛隊自動車訓練所」というのがあり、ここの試験はもっと難しく、厳しいそうです。

基本的に、自衛隊に入ると、誰もが大型自動車免許取得を推奨されるそうで、このため、一般人なら通常は、普通免許を取得してから大型免許取得へ進みますが、自衛隊の場合は普通免許等を持っていなくても、いきなり大型自動車免許の取得に進むことができます。

自衛隊自動車訓練所とは、そんな自衛官に大型免許を取らせるための自動車訓練施設であり、自衛隊の駐屯地または訓練場(演習場)内に開設されているため、無論、履修対象は自衛隊員や自衛官に限定されます。また、輸送科職種に配属された隊員にはここへの入校は必要不可欠とされているようです。

道路交通法においても、きちんとその存在が認められており、指定自動車教習所と同じ扱いを受けるのでこの訓練所には運転免許試験場があり、ここで学科試験などを受けることができます。また、免許取得費用は国費で賄われるため、自腹を切る必要はありません。

ただし、自衛隊に入ったら誰でもここへ入れるかというと、そうではなく、一定の審査基準を経てではないとここへは入れません。

例えば各部隊毎に、年間計画でここへ入校できる受入枠が決まっており、配属先部隊によって異なるようですが、職務上車両を取り扱う隊員であることは無論、2任期以上かつ継続的に部隊で勤務する意思を持つ者や、中隊長等の伝令業務を行った経験のある隊員などでなければ入校させてもらえないことも多いといいます。

さらに、民間の自動車学校と異なり、入所前には、運転適性検査があり、これを受験して運転適性が「適」または「準適」、かつ車両運行適性が5段階中「3」以上の者のみに入校が制限されるそうです。運転適性が「不適」や車両運行適性「1~2」の者は当然ながら事故を起こす危険性を考慮し入校は一切認められないという厳しさです。

民間では適性に関係なく免許取得が可能ですから、こうして入口で足切りが行なわれるのは自衛隊ならではのことです。

なぜここまで厳しくするのかは自明でしょう。自衛隊の車両というのは当然火器を搭載したものも多く、有事には公道を走らなければならない場合もあります。こうした特殊車両を扱うためには、それなりの技術が求められ、法規にも詳しくなくてはなりません。

卒業時には公安委員会試験合格基準をはるかに上回る運転技術を要求されるため、その技能訓練もかなり厳しいものだそうです。自衛隊車両による加害事故事案を発生させぬよう、その運転技術等に関しては指導員によるマンツーマン指導が行われ、徹底的に身体に運転技能がたたき込ます。

その基準について行けない者に関しては、同期学生の運転を同乗する形でよく観察を命ぜられて運転技術を向上するよう徹底的に訓練されるといい、このほか学科試験においても、厳しい指導がなされます。

仮運転免許取得の際の学科試験及び卒業時の免許センターにおいては、学科試験において一人も不合格者を出さない事を目的とするなどの高いハードルを掲げているそうで、試験受験基準はなんと100点満点が要求されます。

それよりも低い点数しか取れなかった者に対しては外出の制限と課業外の自己鍛錬を命ぜられるそうで、仮に試験センターにて不合格者が発生した場合は、当該学生だけでなく同期学生や次期入校者にもペナルティが科せられ、さらに指導が厳しくなるケースもあるということです。

富士の山麓には自衛隊の演習場があり、御殿場方面へ出かけると頻繁にこうした自衛隊自動車訓練所を卒業した自衛隊員が運転する車両に出くわします。公道をのろのろと走り、邪魔だな~といつも思うのですが、彼等にすれば、民間車両への加害事故を起こさないよう、細心の注意を払いながら運転をしているのです。

普通の公道だけでなく、災害時に土砂や流木、がれきで埋もれるような地域にも自衛隊車両は派遣されます。こうした危険地域においては、高い運転技量が求められるがゆえに厳しい運転教習がなされるのであり、一般の運転手よりもはるかに高い運転技術を持っている彼等には、もっと敬意を払ってしかるべきです。

なので、ノロいからといって、こうした自衛隊車両をあおったりするようなことはくれぐれもしないようにしましょう。

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ところで、この項を書くために各国の運転免許証の基準などをいろいろ調べていたら、面白いエピソードに出くわしました。

アイルランドでのお話なのですが、このアイルランドという国は、1990年代から「ケルトの虎」と呼ばれるほどの経済成長が進み、旧ソビエト連邦の崩壊が進む中、かつての東側諸国から多数の労働者を受け入れるようになりました。

ポーランドもそうした東側諸国の一員でしたが、あるときから、増える一方のポーランド移民の中で、「プラヴォ・ヤズディ」なる人物が、アイルランド国内において頻繁に道路交通違反をしている、という事実が浮かび上がってきました。

ヤズディはアイルランドの国内各地でスピード違反や駐車違反など、およそ50件の交通違反を繰り返していたといい、これに手を焼いていたアイルランド警察は当然のことながら、この人物の周辺を洗い出し始めました。

ところが、このプラヴォ・ヤズディなる人物は、取り締まりのたびに住所を変えていたといい、これを不審に思ったアイルランド警察は、この人物についてさらに詳しい調査を行いました。

その結果、意外な真実が明らかになりました。実は、Prawo Jazdy とはポーランド語で「運転免許証」という意味であることがわかったのです。

交通違反を犯したポーランド人運転手から提示された運転免許証はポーランド政府が発行したものでしたが、実はこの運転免許証の冒頭に書かれている「運転免許証」を意味する“ PRAWO JAZDY”を取り締まりにあたった警察官が運転手の名前と誤認していたことが判明したのでした。

つまり、交通違反事例として、50件近く検挙されていたポーランド人というのは、そのほとんどが、別人であり、同じ過ちを別々の警察官が繰り返し、その都度、プラヴォ・ヤズディなる人物が警察のコンピューターに登録されていた、というわけです。

事の真相を知ったアイルランド警察は、さすがにこれを恥ずかしいと思ったのか、警察の内部メモとしてまとめただけで、その事実を公表しませんでした。

そのメモには、2007年6月の日付が入っており、「プラヴォ・ヤズディという人物を創り上げてしまったことはきわめて恥ずべきことだ」と書かれていたそうです。

ところが、この「怪人物プラヴォ・ヤズディ」の一連の経緯をアイルランドのある新聞がどこからか聞きつけ、2009年2月にその誌上ですっぱ抜いたことから、このアイルランド警察の失態は世の人々に知られるところとなりました。

ここぞとばかりにその後他紙もこの事件に飛びつき、警察を揶揄しましたが、その中の記事のひとつには、「警察がたった2つのポーランド語の単語を知ってさえいれば、プラヴォ・ヤズディという悪名高いポーランド人ドライバーが出現することはなかっただろう」と書いてあったそうです。

このアイルランド警察の大失態は、2009年度のイグノーベル賞文学賞を受賞しました。

イグノーベル賞というのは、アメリカのサイエンス・ユーモア雑誌「風変わりな研究の年報(Annals of Improbable Research)が1991年に創設したもので、その共同スポンサーは、ハーバード・コンピューター協会、ハーバード・ラドクリフSF協会など、名門ハーバード大学卒業生の息のかかった面々です。

同賞には、工学賞、物理学賞、医学賞、心理学賞、化学賞、文学賞、経済学賞、学際研究賞、平和賞、生物学賞などの部門があり、毎年10月、風変わりな研究をおこなったり社会的事件などを起こした10の個人やグループに対し、時には笑いと賞賛を、時には皮肉を込めて各賞が授与されます。

このアイルランドの事件は、このとき「文学賞」としてアイルランド警察に授与されており、その受賞理由は、「アイルランド国内で頻繁に交通違反を繰り返した乱暴なドライバーであるプラヴォ・ヤズディに対して50回以上違反切符を書き続けたこと」に対してだったそうです。

その授賞式は毎年10月、ハーバード大学のサンダーズ・シアターで行われるそうで、ノーベル賞では式の初めにスウェーデン王室に敬意を払う儀式があるのに対して、このイグノーベル賞では、「スウェーデン風ミートボール」に敬意を払う儀式が行われるのだとか。いったいどんな儀式なのでしょう。

受賞者の旅費、滞在費は自己負担で、式のスピーチでは聴衆から笑いをとることが要求されるそうですが、この2009年の授賞式にアイルランド警察が恥を忍んで出席し、笑いをとったかどかまでは、わかりません。

このほか、このスピーチにおいては、制限時間が来るとぬいぐるみを抱えた8歳の少女が登場し「もうやめて、私は退屈なの」と連呼しますが、この少女を贈り物で買収することによってスピーチを続けることが許されるそうです。

どこまでも人を食ったような授賞式の内容ですが、こうしたユーモアというよりも、馬鹿さ加減はアメリカ人特有のもので、彼等はとかくこういうアホなことをやりたがります。

私もアメリカ留学時代、アメリカ人のパーティに呼ばれて行ったとき、女性のパンティを頭から逆さにかぶって陽気に踊る複数の男子学生に出くわし唖然としましたが、彼等はともかく、こういうアホなことが大好きです。

この授賞式のフィナーレでは、舞台に向かって観客が紙飛行機を投げつけるそうで、多くの紙飛行機がさながら紙ふぶきのように飛び続けるといいます。しかも、その後始末の掃除のためのモップ係はハーバード大学の物理学教授が例年勤めているとか。

ところが、2005年に限っては、この掃除は別の人がやったそうで、それは、このモップ係のロイ・グラウバー教授が、この年にノーベル物理学賞を受賞し、そちらの式典に出席していたためです。

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このように、ノーベル賞をパロディ化したイグノーベル賞ですが、その授与には実際のノーベル賞科学者のような学識の高い人も大勢参加するなど、ある面、非常にまじめな賞です。

脚光の当たりにくい分野の地道な研究に人々の注目を集めさせ、科学の面白さを再認識させてくれるという点が評価されている一方で、だがしかし、賞の性質上、この受賞を不名誉と考える人も多いようです。

イギリス政府のある主任科学者などは、「大衆がまじめな科学研究を笑いものにする恐れがある」と、イグノーベル賞の運営者に対しイギリス人研究者に今後賞を贈らないよう要請したといいますが、この主張に対し、イギリスの科学者の多くからは反発・反論が起こったそうです。

このイギリス政府の要請にも関わらず、要請が行われた1995年以後もイギリス人にはイグノーベル賞が贈られ続けているということで、なんとも懲りないことではあります。

日本人も多数受賞していて、1992年に医学賞として「足の匂いの原因となる化学物質の特定」という研究に対して授与されたのを皮切りに、毎年のように日本人研究者・科学者の中からイグノーベル賞受賞者が出ています。

記憶に新しいところでは、2002年に、犬語翻訳機「バウリンガル」の開発によって、「ヒトとイヌに平和と調和をもたらした業績に対して」ということで、玩具メーカーのタカラなどに、平和賞が贈られています。

このほか、2005年には、「34年間、自分の食事を撮影し、食べた物が脳の働きや体調に与える影響を分析したこと」に対して「栄養学賞」が、今度の都知事選に出馬している「ドクター中松」氏に贈られています。

このほか、ウシの排泄物からバニラの香り成分「バニリン」を抽出した研究(2007年化学賞)とか、自身の話した言葉をほんの少し遅れて聞かせることでその人の発話を妨害する装置、「スピーチジャマー」(SpeechJammer)を発明したことに対して(2012年音響賞)とか、人を笑わせるものが続出しています。

昨年の2013年は、「たまねぎに多く含まれているアミノ酸を反応させると、涙を誘う「催涙物質」が作られ、目を刺激し、涙が自然と出てくる仕組みになっている研究、が認められ、ハウス食品ほか東大・京大教授に化学賞が贈られました。

また、「心臓移植をしたマウスにオペラの「椿姫」を聴かせたところ、モーツァルトなどの音楽を聴かせたマウスよりも拒絶反応が抑えられ生存期間が延びたという研究に医学賞が、順天堂大学教授らに贈られています。

今年のイグノーベル賞としては、私的には、先日聾唖者を偽って作曲も他者が行ったことが暴露された作曲家さんに「音楽賞」を差し上げたいと思うのですが、どうでしょう。

1994年には、「地震はナマズが尾を振ることで起こるという説の検証」を7年間にわたって研究していたとして、日本の気象庁が「物理学賞」を受賞しましたが、のちにこれはウソだということがわかり、イグノーベル賞は取り消される、という「事件」が発生しました。

ナマズによる地震予知を、地震の専門家である、気象庁が本気になって検証している、というところが評価されたのでしょうが、これについては、実際には、東京都水産試験場が1976年~1992年にわたって「ナマズの観察により地震予知をする」研究を実際に行っていたものでした。

気象庁が行っていた研究だとの誤報がアメリカ側にまことしやかに伝えられていたためのようです。

作曲家Sさんの件も誤報である、と信じたいところですが、事態は悪い方向へと向かっているようです。まさか本当に、イグノーベル賞を受賞するとは思えませんが、多くの人々を感動させた名曲に関わった人、ということである程度評価してもいいのでは、と擁護する向きもあるようです。

文字を書くことが困難、あるいは翻訳作業などが必要な外国出身者が本を出版する際、事実上の代筆担当者として口述筆記のために、ゴーストライターが起用される事もあるそうです。

が、音楽はごまかしがききません。ぜひ、真実を明らかにしてもらい、必要があるならば、受けるべき罰を受けて欲しいと思います。

エッ?このブログも、実は誰かにゴーストライターを依頼しているんじゃないかって?

それはありません。細々とつつましやかに暮らしている伊豆のヒゲオヤジが毎回苦労して書いているものです。けっしてイグノーベル賞に推挙するなどという暴挙に出ないよう、お気をつけいただきたいと思います。

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