秋のネコは・・・

 

ひところに比べると、かなり涼しくなってきました。我が家の一番日当たりの良い南側の和室は、テンちゃんの格好のひなたぼっこスペース。気温の低い日にはまるまって寝ているのですが、少し気温の高い日はご覧のように、いつものあられもないポーズ・・・美人さんだいなしです。

この日は畳の上で寝てましたが、最近だんだんと寒くなっているせいもあり、天気の良い日には、より高いところにある出窓に移動して寝ることも多くなってきました。でも晴天ばかりでもないので、そろそろネコ用のホットカーペットを出してやらねば。

でも、最近一番お気に入りなのは、タエさんの膝の上。だっこしてもらった上に、なでてもらったり、マッサージされたりで極楽極楽・・・ ネコも人もぬくもりがうれしい季節になりました・・・

修善寺での初夜

ゲストハウスからの絶景
(右下は狩野川、中央はロッククライミングで有名な城山(じょうやま) そして画面左奥には富士山)

修善寺の保養所を購入しようと決めてから、3ヵ月弱が経ちました。この間、ローンの借り入れやN社さんとの契約手続き、保養所を管理している不動産屋さんとの交渉、保養所の所有者さんのA金属さん所有の家具等の搬出など、色々面倒な手続きがありましたが、すべて順調に終わり、9月の末に、保養所は正式に我々の新しい「家」になりました。

手に入れたとはいえ、築後18年経っているこの家には、あちこちに傷みがあり、このまま住まうには問題が色々あります。大きな傷みはないのですが、一番手を加えたいのが外壁の汚れや水回り。とくに外壁は塗装が色褪せ、それほどひどくはないものの、あちこちにひび割れが。水回りはそれほどひどく汚れてはいないものの、やはり住み替えるには、新しくしたいもの。そのほかにもリビングやキッチンのクロスの張替なども必要があります。そして、6つもあるトイレの数減らし。和式トイレが二つに、男性用立ちトイレが二つ、そして洋式トイレ二つは二人で暮らすにはあまりにも多すぎます。このうち三つを残して、残りは撤去し、倉庫として使いたいというのが我々の希望。

A金属さんからの登記移転の手続きが終わってすぐ、N社さんの紹介で、これらの工事をやってもらう大工さんを紹介してもらうことになりました。

紹介された大工さんは、同じ別荘地に住むTさん。早速保養所に来てもらい、打ち合わせをすることになりました。今60歳だというTさんは、小柄ですが矍鑠(かくしゃく)としていて、笑顔の素敵なちょっとおしゃれなおじさま。大工さんというよりはインテリアデザイナーといったおもむきで、とてもご自分でのこぎりやカンナを使いそうなかんじはしません。

さっそく、家の中外をみながら、ここをこう直してほしい、という希望を全部伝え、見積もりをしてもらうことに・・・。そして、後日頂いた見積もりも、十分に納得できる・・・というよりも、えっ!? この値段でやってくれるの? といった内容でした。ためらうことなく、内外装のリフォームはすべてTさんのところにお願いすることにしたムシャ&タエ。

・・・そして内装の補修が8割方完成したという連絡を受けた、10月下旬。残る外壁の塗装の色の相談のため、久々に修善寺に向かうことにしました。この日は、秋晴れの一日で、この秋一番の冷え込みとか。この日、いつもの東名高速は使わず、小田原厚木道路から箱根新道を通って、沼津入りしたのはお昼過ぎ。

この日は涼しかったので、お昼はラーメンがいいね~と二人で言っていて、沼津から国道136号を下っていたところ、見つけたのが知る人ぞ知る有名店、「田ぶし」。東京の高円寺が本店のしょうゆ味のラーメンとつけ麺が評判のお店ですが、その味が有名になってからあちこちにチェーン店ができ、沼津にもその一店が。

実はムシャは、大のラーメン好き。外で打ち合わせがあるときなどのお昼は大概ラーメン。これまでも東京都内のあちこちのラーメン屋さんを食べ歩いてきました。今回伊豆へ移住するにあたり、東京ほどラーメン店が多くないのでは・・・と心配?していたのですが、この田ぶしさんを始め、大勝軒や来々亭といった有名店もあるようです。静岡番のラーメン店紹介本も出ており、これからの静岡のラーメン食べ歩きが楽しみです。

早速入った田ぶしさんの店内はお昼時にもかかわらず、ほどよく空いていて、入ってからすぐに注文ができました。二人とも定番のしょうゆラーメンを注文。10分ほどで出て来たラーメンは、わりとあっさりしたしょうゆベースで、スープはしつこくなく、ほんのり魚介だしが利いていておいしい!麺もほどよい固さ。チャーシューも柔らかくほどよい塩味で、さすが名店のラーメンといったかんじ。

二人とも大満足で、お店を出て、気持ちの良い天気の中、修善寺へ向かいました。途中大工さん達の三時のおやつを買い、現地に着いたのは二時前。外側はペンキ塗装のために、足場が組んであり、ガラス窓にペンキがつかないようにビニールが貼ってあります。外壁の塗装はまだ終わっていませんが、この家の自慢のひとつである、重厚な外柱や軒裏(軒天)はきれに汚れが落としてあり、やや濃いめの黄土色でステインしてあります。外壁はこの軒天や柱の色に合わせて、サーモンピンクにやや近い浅いオレンジ色にする予定。電話やインターネットでは色が伝えにくいので、ペンキ職人さんの持っているサンプルを直接見て色を確定することにしていたのです。

前回訪れた時、家の外は草ぼうぼうでしたが、今日来てみると、きれいに草刈をしてくださっており、かなりすっきり。とはいえ、今まで気がつかなかったような雑木があちこちに生えていて、住むようになったら伐採が必要です。庭いじりはまだまだこれから。楽しみのひとつではありますが手入れは結構大変そう。

外回りをざっと見たあと、早速中に入ってみると、表替えのためとりはずされている畳はまだ戻って来ていませんでしたが、トイレの撤去やクロス張りはほとんど終わっていました。事前に指定していたふすまの色や模様も期待していたとおりで、間違いのない仕事をしてくれているな、と大満足。この日は、リフォーム後のお掃除のために、4人ほどが入ってくれていて、あちこちを丁寧に清掃してくれていました。単にリフォームだけでなく、丁寧にお掃除までやってくれていることにも感激!やはりTさんに頼んで良かった。

ほどなく、ペンキ屋さんも見え、外壁の色の打ち合わせも終わり、やがてTさんもお見えになって最後の打ち合わせをしました。すべてのリフォームを終えるためには、あと1週間から10日くらいかかるとのこと。しかし、ここまでくればもうほとんど終わっても同然。次回来る時には外壁が仕上がっているはずで、これはとても楽しみです。

まだリフォームが完全に終わっていないし、畳も入っていないので、この日、ここに泊ることは断念。かわりに、Tさんがこの別荘地内に二つ持っているという「ゲストハウス」のひとつに泊めていただくことに。なんでも古い別荘を大工のTさんが購入し、リフォームしたものを、売らずに取ってあって、外からお客さんが来た時などに提供しているとか。何から何までお世話になっていて恐縮だったのですが、Tさんのおっしゃる、きれいじゃないけど、眺めは抜群ですよ、という言葉にも惹かれ、ためらいながらもお言葉に甘えることにしたのです。

Tさんの先導で一旦山を下り、再び別のルートを通って着いたそのゲストハウスは、この別荘地の北の端にある一角。かなり山の上に近いほうで、車は急な坂を右に左に大きく曲がりながら登って行きます。着いたそのゲストハウスは、急な崖の中腹に鉄骨で基礎を築いた2DKほどの家。道路から玄関までも急な階段を30段ほど上って中に入ります。

中に入り、リビングの窓から外をみると・・・・・なるほどの絶景!すぐ真下には狩野川のたおやかな流れが見え、真正面には、断崖絶壁でロッククライマーのメッカである城山(じょうやま)が見えます。その先には、少し手前の山の陰にもなっているけれども、まがうことなく富士山も見え、なるほど、なるほどの眺めです。

そしてこのゲストハウスの売りは、総檜でできたお風呂!無論、温泉です。そこからは、先ほどのリビングと同様の絶景が見え、お風呂につかりながら景色を楽しめるというぜいたくさ。

北向き斜面なので日中はあまり日があたりませんが、この眺めならば別荘としては文句のつけようがありません。ただ、夏はいいけれども、冬は少し寒いかも。この日は、この秋一番の涼しさとのことで、部屋の中はかなりひんやりしていて、暖房が欲しいくらい。

その夜は、外食はやめ、近くのスーパーマーケットでお惣菜を買って、このゲストハウスで伊豆での最初の夜を迎えることに。ワインを買い、二人で外の夜景をみながら乾杯しつつ、今日出会った、ペンキ屋さんやお掃除の方々のことやらこれから先の伊豆での生活について夜遅くまで話こんだのです。あの絶景風呂から見える田方平野の夜景が際立ってきれいだったことは、言うまでもありません。次に修善寺に来る時には、今度こそ保養所で泊ることになるのも間違いなく、二人とも夢を膨らませつつ夢の中へ・・・