そうめん雑学

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梅雨が明けました。

今年もうあと一ヵ月、いや、それ以上の長きにわたって、暑い日々が続ことになるのでしょう。

暑さに弱く、蝋細工のような私にとっては、一年で一番辛い時期でもあります。

そんな中、多少なりともその暑気を和らげてくれるのが、冷たい食べ物。

とりわけ、毎年お世話になるのが、そばや冷麦(ひやむぎ)、冷やし中華といった冷麺ですが、中でもやはり食する頻度がダントツに高いのは素麺(そうめん)です。

清涼感を求めて食する夏の麺料理として代表的なものといえますが、その消費比率はどのくらいなのか、調べてみました。

すると、日本で生産されている冷麺用の乾麺の生産量は、そうめん類がだいたい44%、うどん類が23%、日本そば19%、ひやむぎ類10%、干し中華(インスタントラーメン除く)4%、となっているようです。

やはり素麺はダントツに人気なのがわかります。

夏の間、広く日本中で食される代表的な食べ物であるわけですが、日本各地にあるそうめんの生産地のうち、奈良県の三輪地方を本拠とする「三輪素麺」は、最も素麺つくりの歴史が長く、全国に分布する素麺産地の源流でもあります。かつては、全国の素麺の相場は、三輪で決められていたといいます。

その味といい、のどごしといい、日本を代表するそうめんであることには疑いの余地はありません。原料に良質の小麦粉を使い、極寒期に手延べ法により精製する、といったこだわりにより、腰のしっかりした煮くずれしにくい独特の歯ごたえと舌ざわりの良さを実現しています。

かつては、製造から1年以上寝かしたものは「古物(ひねもの)」、2年以上は「大古(おおひね)」と呼ばれ珍重されました。また、麺が細いほど高級とされ、そうめんのランク(細さ)を上から、次の大きく4つに区分していました。

神杉(かみすぎ)…極細の最高級品
緒環(おだまき)・・・神杉より少々太い高級品
瑞垣(みずがき)・・・誉より少し細い高級品
誉(ほまれ)・・・通常の三輪そうめん

ところが、本来国内産の麦はグルテン量が少なく、細く作ることには不適なのだそうです。グルテンは、小麦、ライ麦などの穀物の胚乳から生成されるタンパク質の一種です。小麦加工品を作る上で弾性や柔軟性を決定し、膨張を助ける重要な要素です。

麦が生育する環境の違いもあり、国産小麦は輸入ものに比べてグルテンの量が少なく、「ねばり」が弱い傾向にあります。しなやか、かつ、弾力のある麺を作るには、しっかりしたグルテン膜が必要です。

このため、三輪そうめんだけでなく、国内の各生産者とも独自の外国産小麦の輸入ルートを確立し、製造法も工夫して、極細の麺でも弾性や柔軟性を確保できる麺を製造できるよう、努力してきました。

ただ、現代では、お中元などで高級品を贈る以外には、それほど高級品にはこだわりがない向きも多く、三輪そうめんでも、従来の4ランクから、瑞垣(鳥居の金帯)、誉(鳥居の黒帯)の2ランクといった、大まかな区分けがされる程度となっているようです。

また、そうめんといえば、「三輪」と呼ばれるほど、かつては品質が突出していたようですが、近年では他の地域でも製造技術が向上し、大きな品質差はなくなり、どれを食べても十分に満足できるレベルになってきています。

とはいえ、長い歴史に基づいた確かな品質を重んじる消費者も多く、一般には、「日本三大そうめん」といわれるブランドがあり、これが珍重される傾向は今も続いています。その3つとは、三輪素麺(奈良県)と、播州素麺(兵庫県)、小豆島素麺(香川県)になります。

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これに加え、近年では、長崎の「島原素麺」、が第四のそうめんとしてクローズアップされてきています。なぜ長崎なのか、ですが、一説によれば、これは香川県の小豆島の素麺職人が移住し、島原でそうめん作りを始めたのが起源といわれます。

島原そうめんのはっきりとした産地形成は、文化年間(1804~1818年)ごろといわれますが、昭和初期までは数えるぐらいの業者数であり、近隣諸県に行商する程度であったようです。戦後、経済統制もようやく平静を取り戻しつつある昭和28年、島原地区で初の製麺業者組織「長崎県手延素麺製粉協同組合」が設立され、本格的に地場産品としての生産に乗り出しました。

昭和29年〜47年の高度経済成長期になると、高級志向・贈答がもてはやされるようになりました。手延素麺の老舗ブランドとして一足早く全国へ名を馳せていた「三輪素麺」の問屋は大いに活気づき、その供給量の不足を島原に求めるようになりました。

一方で日本の最西端にあるためもあり、販路不足に悩んでいた島原は、これを機に一気に他有名産地の委託下請け生産地として生産量を増大させ、製造者戸数も増加の一途をたどりました。現在にいたるまで、島原半島の南側にある、南島原市・西有家地区を中心にした地域は、およそ400軒が軒を並べる全国第二位の一大生産地となっています。

そうした中、2002年、三輪の大手のそうめん販売業者3社が、突如、長崎県産の素麺を「三輪そうめん」として販売していたとして告発を受け、その結果、農水省の立入検査と改善の指導を受けるという事態に発展しました。

「三輪素麺」とされるものには、大きく分けて、三輪に本社を置く大手企業が作るそうめんと、小口の生産者の団体「奈良県三輪素麺工業協同組合」が取り仕切って作るそうめんの2つがあります。

工業組合は、三輪市内の工業組合員が生産するそうめんこそが「三輪そうめん」である、と、長年主張を続けていました。これに対して、三輪に本社を置く大手そうめん業者たちは、工業組合を通したそうめんも販売する一方で、長崎県産(島原産)を仕入れながら「三輪」の表示を使用して販売を行っていました。

これは、長崎県産の素麺の市場価格が三輪と比較してずっと安価であったためだったようです。年々そうめんの需要が伸びえていく中で、長崎産のものも「三輪素麺」ブランドで売れば安定供給もでき、かつ安価で販売できるため、常習的に長崎産を使うようになっていったようです。

これに対して、工業協同組合側は、三輪で作られたものでしか「三輪そうめん」と呼べない、と主張しました。これは当然のことであり、地場産品の均一された品質は、その土地ならではの環境や風土に基づいて形成されることが多いのも事実です。また、長年、三輪という土地に住まう人々が育んできた技術によって生産されてきたものが、新興の他地域での産物と同一視される、ということは悔しいことに違いはありません。

その、強い地元意識を農水省にぶつけた結果、国もこれを受け入れ、立入検査、という結論になったのでしょう。

これを受けて、大手メーカーは、これ以降、自社販売品のうち三輪での生産ではない場合は、「三輪そうめん」とは表示しなくなりました。

この件により、長い歴史を持つ「三輪ブランド」は、三輪で生産したものに限られることになりました。しかし、長年この地で製造に励んできた、三輪のはえぬきの業者たちは、今回のことを教訓として、より三輪素麺のブランド力を高めていくことの必要性を痛感しました。

以後、三輪素麺の品質や歴史性の宣伝を内外に行うようになり、行政への働きかけも行い始めました。

そうした努力の結果、今年の6月、桜井市は「そうめん条例」を制定しました。これは、三輪素麺の普及のために、三輪素麺を食べる習慣を広め、伝統文化への理解の促進を目的に、市が、三輪素麺の普及を促進するために必要な措置を講じるよう努める、というものです。

三輪ブランドを守るため、市がその普及促進のための措置を講じ、生産業者の主体的取り組みを援助するしくみで、その活動に市民も協力してよ、というわけです。市をあげて地元産のそうめん作りを全国にアピールしていこう、という意気込みの表れともいえます。

こうした取り組みにより、三輪のそうめんは、日本におけるトップブランドとして、ゆるぎない地位を保ち続けており、現在でも桜井市三輪は日本のそうめんの生産の中心地と目されているわけです。

ただ、三輪では、そうめんだけでなく、もうひとつの雄、「ひやむぎ」も生産しており、こちらも全国トップクラスの生産をあげています。三輪の手延べひやむぎ、手延べ三輪うどんといった商品は、いま手延べそうめんに次ぐ、大きな収入源になりつつあります。

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そこで、ひとつ疑問が浮き上がるのですが、この、ひやむぎ(冷麦)とそうめん(素麺)はいったい何が違うのでしょうか?

多くの人が、単に太さが違うんだ、と思っているでしょう。

これは当たってもおり、当たっていなくもありです。実はこの二つ、製法が違う、ということをご存知でしょうか。

一般に出回っているひやむぎの多くは、細打ちにした「うどん」と同じで、小麦粉と塩と水を混ぜたものを練って延ばし、切って作ります。

一方のそうめんは、小麦粉と塩と水を練るところまでは同じですが、ひやむぎのように切らず、練ったものに植物油又はでんぷんを塗り、よりをかけて引き延ばし、細く仕上げて、天日干しにして作ります。

素麺は「索麺」とも書き、これは、糸やひもを引き出す、という意味です。ひもをたぐって中の物を引き出すように、手づるによってさがしもとめる、という意味があり、つまり、「手延べ索麺」=「手延べそうめん」です。

ひやむぎの方は、小麦が原料の「小麦粉」を練り、うどんよりもやや細めに切ります。これを「切り麦」といい、熱して食べるものを「熱麦」、冷やして食べるものを「冷麦」と呼んだことから、「ひやむぎ」の名があります。

「索麺」と「冷麦」、この文字そのものが、如実に製法の違いを表しており、原料は同じ小麦であるものの、仕上がりは別のものであるわけです。

昔ながらの手延べで作る「索麺」は、人力が入るために作るのにそれなりに手間暇がかかりますが、「冷麦」は、今日では機械でもってかなり簡単に作ることができます。今日では機械製麺が主流であり、上で述べたとおり、うどんと製法が同じです。

そして、うどん業界では、細切りのものを「ひやむぎ」、さらに細いものを「そうめん」と呼んで売り出しています。ところが、手間のかかる「手延べそうめん」のほうは製法が違うのに、こちらも普通は「そうめん」と呼ばれます。ここに、混乱があります。

これに関して、JAS規格(日本農林規格)の「乾めん類品質表示基準」では、機械製法によって小麦粉由来の麺を作る場合、麺の太さが1.7mm以上を「うどん」、長径1.3mm以上1.7mm未満を「ひやむぎ」、長径1.3mm未満を「そうめん」と分類しており、基本的には麺の太さで区別します。

太さを基準に「うどん」のほか「ひやむぎ」と「そうめん」としたのは、製麺機で作られる麺の種類が増え、商品の流通上、都合がよいからです。

極太麺の「うどん」、やや太麺の「ひやむぎ」、そして細麺の「そうめん」とバラエティを変えれば、料理法もさまざまになり、消費者に喜ばれます。また、うどん業者などから税金を取る役人にとっても、いろんなバリエーションを作ってくれるほうが税金を取りやすくなり、税収が多くなる、というわけです。

これに対して、昔ながらの手作業で、そうめんを作る場合は、単に小麦粉と水と塩を混ぜて練るだけでなく、もうひと手間、難しい工程加わります。機械によってつくられる麺と異なり、油を加えてさらに細くする、という手間が加わっており、これが「手延べ」の意味するところです。

この「手延べそうめん」は、太さに関しては、機械麺ほど厳しい農林規格はありません。人力により手延べ麺にする場合の呼称は、「そうめん」でも「ひやむぎ」でも良いことになっています。そして、農林規格上、その太さについては、1.7mm以下ならばどちらでも良い、とされています。

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ところが、それでは機械でつくる「うどんそうめん」や「うどんひやむぎ」と違いがわからなくなってしまい、買ってもらえなくなる可能性があります。このため、その頭に「手延べ」をつけることで、差別化を図ることが許されています。

江戸時代から続く、人の手によってつくる「正統派」の手延べめんは、「手延べそうめん」あるいは、「手延べひやむぎ」と表示されています。がしかし実質この二者に違いはなく、太さが違うだけです。従って、かなり太くても「そうめん」という場合さえあり、実際、徳島県の手延べの名産品「半田そうめん」は太く、1.7mm前後あります。

ただし、「手延べ」と呼称する場合は、「手延べ干しめんの日本農林規格」というのが農林水産省で決められています。この規格の中には手延べの細かい製造方法が定められており、ある程度これに書かれているレシピに準じて作られたものでなくては「手延べ」を名乗ることはできません。

そのレシピは、上でも述べましたが、練ったものに植物油又はでんぷんを塗り、よりをかけて引き延ばし、細く仕上げて、常温で一定期間放置することにより熟成させ、さらには天日干しにする、といったものです。ここでは単に2~3行で書いていますが、ほかにも長年蓄積された、細かいノウハウが必要になります。

一方、機械で作った麺は、「ひやむぎ」「そうめん」と商標表示することはできますが、製法が違うため、あたまに「手延べ」をつけることは許されません。手延べの工程がないぶん、仕上がりはかなり異なったものになります。

従って、万一お店で売られている冷麦や素麺が、手延べの工程を経ていないのに「手延べ」と表示されていたら、それは法律を犯して販売されている、ということになります。

なので、お店でそうめんやひやむぎを買う場合には、「手延べ」なのかそうでないのかを見分けましょう。

まず、表面を見て、「手延べ」でのことばが書いてあるかどうかを確認します。さらに裏面を見れば、小麦や水のほかに「油」が入っている旨の成分表示があるはずであり、これで手延べ麺であるかどうかを確認できます。単に機械で作られたものには、「手延べ」の表示はないばかりか、成分表示にも何ら油成分は記載されていないはずです。

これで、冷麦と素麺の違い、そして手延べ麺とそうでないものの違いについての疑問が解決しました。このブログを見て勉強すれば、もう素麺と冷麦の違いについて迷うことはないわけです。

ところで冷麺に関するまた別の疑問。こちらも、日ごろから不思議に思っておられる方も多いと思のですが、麺に赤や緑の彩色麺が何本か入っている、アレです。理由はいったいなんなのでしょうか。

実はこれ、揖保乃糸など一部の「手延べ麺」の製造業者が、製麺所において、そうめんとひやむぎを区別するため、ひやむぎの麺束のほうに、これらの彩色麺を混入していたのがはじまりです。

揖保乃糸(いぼのいと)は、兵庫県手延素麺協同組合が有する手延素麺の商標です。その歴史は三輪そうめんほど古くはなく、とはいえ、15世紀前半に最古の記録が残るなど、日本を代表する手延べ素麺のひとつです。

この彩色麺を混入する、という風習を他の業者も真似し、1980年代後半までは関東地方(東京)などを中心に多く見られましたが、1990年代には徐々に縮小していき、揖保乃糸以外の大多数が白一色のひやむぎになってしまいました。

しかしその一方で、一部の製造業者が現在でもこの風習を続けており、中には子供が喜ぶから、という理由で、機械そうめんなどにも入れられていることがあります。

もっともこれに関しては色麺が入っていいたからといって農林規格に反するわけでもなく、罰則規定などもありません。白い冷麦の中に交じって、赤や緑の素麺が入っているのをみると涼しげで、いかにも夏を感じさせます。

と、同時に色つき麺が入っていると何やら楽しい気分にさせてくれます。子供時代にひやむぎを食べたとき、争うようにして、色のついた麺を取り合った、という経験をした人も多いのではないでしょうか。

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さて、こうしたいろいろな違いがあるにしても、そうめんもひやむぎも、その食べ方はほぼ同じです。湯を沸かしてゆでてから、氷水や流水で冷し、ぬめりを取るためのもみ洗いをした後、めんつゆにつけて食べるのが最も一般的です。

無論、ゆがいたあと、温かいままでいただく場合もあります。そうめんの場合、熱いツユで食べるものを、「にゅうめん」などと呼ぶようです。夏が過ぎ、涼しくなってから食べるにゅうめんは、冷やしそうめんとはまた違った魅力があります。

いずれの場合も、ゆでる水には塩を入れないのが普通です。これは逆に麺に含まれている塩分を出すためでもあります。冷やしそうめんの場合、茹で上がったらできるだけよい水で洗ってぬめりをとりますが、とくに手延べの場合、製造時に混入した油をとりのぞく効果があります。

そうめんつゆは醤油、出汁、みりんあるいは砂糖などからなる甘辛いもので、また、そばつゆよりは砂糖やみりんが多く添加され、甘味が勝るものが多いようです。出汁の材料は地域によってさまざまですが、鰹節、干しエビ、干し椎茸などが一般的です。付け合わせに煮込んだシイタケ、茄子、錦糸卵、トマト、蒲鉾、海老、缶詰のみかん等がつく場合もあるようです。

夏季には各醤油メーカーや食品メーカーから、「そうめんつゆ」と呼ばれる調味済みのめんつゆが販売されます。また、ごまだれをめんつゆに入れたりつけ汁として用いる、というご家庭も多いのではないでしょうか。

関西地方では冷やし中華(冷麺)のようにハム、キュウリなども添えるのが一般的で、薬味としては、刻み葱、おろし生姜、胡麻、ミョウガ、山椒、海苔、鰹節、大葉、おろし山葵などが用いられます。我が家も家内とともに広島・山口の出自なので、この手の薬味を入れることが多いようです。

そうめんに、焼いた鯖の身を入れる、という独特のレシピもあります。滋賀県長浜市周辺の湖北地方に伝わるそうめん料理で、焼鯖素麺、または鯖素麺とも呼ばれています。農繁期である5月に、農家へ嫁いだ娘を持つ親が忙しい娘を気遣い、実家から嫁ぎ先に焼鯖を届ける「五月見舞い」という湖北地方独特の習慣に由来するそうです。

農繁期に気軽に作って食べられる料理として、また客をもてなす際などのハレの料理としても伝えられてきたといいます。湖北地方は内陸に位置しますが、比較的近い地域に若狭湾という鯖の産地があるため、鯖は一般的な食材でした。

この伝統が伝わったのかどうかは定かではありませんが、東北地方の山形県では、たれと薬味に加え、サバの水煮缶を汁ごと、どんと中に入れるのが普通のようです。テレビのバラエティ番組で紹介されていたのを見て、我が家でも試してみましたが、確かにおいしいと思いました。無論、お好みもあると思いますが、みなさんも試してみてください。

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さて、暑い夏がこれから長く続きます。

食欲のない方は、本日のレシピを見て、冷たい麺で夏場を乗り切ってください。

ただ、「夏太り」にはご注意を。

現代の日本の夏は、基礎代謝が低下しやすい環境と言われています。基礎代謝とは、何もせずじっとしていても、生命活動を維持するために自動的に行われている活動で、そのために必要なエネルギー消費のことです。

秋から冬、そして春にかけては、寒暖差がそれなりにあるので、私たちの体は、体温を一定に保とうとかなり活発に基礎代謝を行います。ところが、夏場は一日を通して温度差が少ないため、そもそも代謝を上げなくても体温調整ができてしまいます。

そこにきて、暑いからと運動量が減りますし、発汗によってエネルギー代謝を促進するビタミンBが不足します。さらには睡眠不足とエアコンの多様が自律神経の乱れを誘発します。

結果、本来、自動的に脂肪を燃焼してくれるはずの基礎代謝ががくんと落ちてしまいます。

夏太りになった人の多くは、「そんなに食べていないのに太った」と口を揃えて言いますが、
そうした人に限って、冷たい麺類やパン類ばかり摂取しているようです。そうすると、いくら小食でも、エネルギー価の高い炭水化物のオンパレードとなり、ただでさえ低下した身体の代謝が追いつかなくなってしまいます。

食欲不振で「何か食べなくては」と、冷麺ばかり食べていると、栄養の偏りで代謝低下に拍車をかけることになるわけです。

なので、そうめんを食べるなら、それなりに運動もし、規則正しい生活を送って、できることならエアコンを使わずに快適に眠れる方法を模索します。ビタミンBを多く含む、酵母やレバー、肉、魚介類、野菜などをたくさんとり、基礎代謝量を保ちましょう。

バランスよく他の食材と合わせながら素麺を食べ、暑い夏を乗りきったあとも、美しい体型を保つ。これをこの夏の目標にしてはいかがでしょうか。

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