沖縄の梅雨がそろそろ明けそうとのことです。今年もまた、日本列島の南から暑い夏が北上してくるのでしょう。
去年の今頃は何をしていたかな、と自分で書いたブログを見返してみると、このころは、長野の伊那の物件をほぼ決めかけていた時期のようです。その後、霊能者のSさんのアドバイスもあって、物件探しを東京から南西方向に転向。静岡方面を探し始めたのが去年の今ごろだったかと思います。
あれから、一年・・・ 早いものです。あの伊那の家にもし住んでいたらどうなっていたかしら・・・と考えてみるのですが、どうもイメージがよく沸きません。が、こことの違いはなんだろう、と考えてみました。すると、いろいろありそうです。
まず立地。東京からの距離を考えると、クルマを使ったとして、ここは東京まで2時間半ほど。横浜までなら2時間で行けます。三島までなら30分で行け、そこからなら、新幹線が使えます。一方、伊那の場合、中央高速を使ったとしても4時間はかかる。ただし、名古屋や豊橋のほうが近いので、そちらへ出るなら伊豆から東京へ出るのと同じ程度。しかし、新幹線を使おうと思うと、2時間かけて名古屋へ出る必要がある。ただし、在来線はかなり本数が少なく、三島からならかなり本数の多い東海道線が使える伊豆のほうが便利です。
トータルでみると、クルマでの移動と鉄道の利用に関しては、伊豆のほうがかなり有利なようです。伊那は、将来的にはリニア新幹線が通る可能性もありますが、我々が生きているうちに実現するかどうか。伊豆の場合、最近できた第二東名も使えるようになったことも、大きなアドバンテージです。
空港は伊豆の場合、羽田空港までやはい2時間半程度。静岡空港なら2時間で行けます。伊那の場合、中部空港まで2時間半程度。松本空港まで1時間というところでしょうか。これに関してはどっこいどっこいかな。
次いで、利便性。ここ修善寺の隣には大仁という比較的大きな町があり、たいがいのものは手に入ります。30分ほどで沼津、三島へ行くことができ、小さいながらも沼津にはデパートが、三島にはかなり大きなショッピングセンターがある。伊那の場合、飯田まで30分。諏訪まで1時間。両方ともそこそこの町ですし、日常必要なもので手にはいらないものはたぶんないでしょう。が、デパートはなかったかな。
総合的にみると、伊豆も伊那も、利便性ということに関しては、それほど大きな違いはないと思います。強いていえば好みと、選択肢の多さかな。30分から1時間ほどで行ける町のなかでは、沼津の商店街は古くて陰気なかんじがするのであまり好きではありませんが、三島や伊東は古い町ではあるが、風情があります。もう少し足を延ばせば清水や静岡市内へも行けます。
一方の伊那。諏訪は買い物に出かけるには、いつ訪れてもきれいで気持ちのいい町ですが、飯田の町はなんだか古めかしくて暗いかんじがします。新しいお店もたくさんあるようでしたが、古さと新しさのバランスがとれていないかんじ。この二都市以外にはあまり大きな町がなく、お買いものに関してはバリエーションが少ないというのは、マイナス点です。
気候や自然。これはまだ、伊豆に住み始めて数か月で論じるべきではないかもしれませんが、我々が気にしていた涼しさという点では、伊那のほうに軍配が上がるのでしょう。が、逆に冬の厳しさは想像にかたくない。光熱費もかさみそうです。自然の豊かさについては、どちらもそりゃあいいに決まっています。伊豆には富士、伊那にはアルプスがある。
が、海が近い、という点では伊豆は最高です。いつでも好きなときに行ける。伊那の場合、海というと、どこになるのでしょう。知多半島でしょうか、それとも浜松になるのでしょうか。いずれにせよ、海までは遠い道のりになります。
防災上の観点。これは伊豆の負けでしょうか。地震は多そうですし、富士山の噴火の可能性がないわけではない。台風の通り道になることも多いようです。伊那はどうでしょう。地震がまったくないというわけではないようですが、少ないようですね。台風だってめったにこないらしい。
人。これはよくわかりません。が、昔沼津に住んでいた経験からすると、静岡の人はあまりよそ者に対しての偏見がありません。誰とでも分け隔てなく接することができる県民性という気がします。方や長野県民は、多少排他的なところがある、と聞いたことがあります。実際に住んだことがあるわけではないので確かめようがありませんが。
食べ物。これもどっちがどっちとは言えません。長野には長野のおいしいものがあるでしょう。が、長野と聞いて真っ先に思い浮かべるのは、くだものとそばかな~。酒もおいしそうです。伊豆もそばがおいしいところですが、酒は寒いところのほうがおいしいものができる、と聞いたことがあるので、おそらくは長野のほうに軍配があがるのでしょう。伊豆はみかんなどの柑橘系は強いですね。あちこちでかなり安く、しかも一年中手に入ります。
伊豆にあって長野にないものといえば、やはり魚でしょう。海がある県とない県では、その差は歴然。しかし、わざわざ自分で釣りに行くのでなければ、長野だって名古屋方面からの魚の入荷はあるでしょう。伊那でためしに入ったみたスーパーでも豊富な魚介類がありました。
結論です。やはりどっちがいいとか悪いとかは決められません。交通の便や利便性の面では多少なりとも東京や横浜に近い伊豆のほうに軍配があがると思いますが、震災の心配があることは否めません。気候に関しても、住めば都、といったふうで、住んでいるうちに慣れてくるもの。厳しい寒さも、長年慣れ親しめば、好きになっていくのかもしれません。
人もその地方それぞれの気質の違いというものがあるかもしれませんが、やはり住んでみたところの隣近所の人間関係で決まってくるもの。一概に違いは論じられないと思います。食べ物に関しても同じ。その場所に住めば、その風土にあったものを口にするようになるし、それが長年にわたれば、きらいなものも好きに転じていくものなのでしょう。
伊那と伊豆。今にして思えば、上の一文字が同じというのも、何かのご縁だったのかも。今回はたまたま伊豆になりましたが、遠い将来、もしかしたらまた伊那にもご縁ができるのかもしれません。今日たまたま伊那のことを思い出したのもそのご縁からかも。考えてみると、良いところでした。山がきれいだし、水も豊か。食べ物も私好みのものがありそうでした。いずれまたチャンスがあれば、あそこにもう一軒別荘があってもいいかな・・・
が、まだまだそれまでには時間がかかりそうです。伊豆の暮らしでさえ、まだまだ始まったばかりなのですから。