ふたたびの伊豆高原

その日もいろいろな物件をみました・・・(伊豆高原にて)

東京へ帰って数日・・・天城高原では大きな収穫が得られませんでしたが、別に焦りはありませんでした。しかし、伊豆での別荘探しは早くも暗礁に乗り上げたようなかんじ。天城高原や伊豆高原は、確かに良いところでなのだけれども、どうしても心にひっかかるものがある・・・

それは、東京からのアクセスの悪さ。加えて、とくに東伊豆の伊豆高原は有数の観光地でもあることから、休日には関東地方からの観光客でごったがえし、道路もかなり込み合います。東海岸を通る、主要幹線の国道136号線はあちこちで渋滞し、これを避けるための抜け道といえば、有料道路の伊豆スカイラインだけ。先日天城高原へ行った際の帰宅途中にも、平日にも関わらず、熱海近辺の136号線でプチ渋滞に巻き込まれたのです。

交通の便は住む以上、最も重要な環境条件のひとつ。天城高原はふもとの駅までシャトルバスがあるとはいうものの、一日の本数は数本でしかも有料。できれば、公共のバスがあり、電車も使えて、その上で自家用車での移動もあり、というのが理想です。

そうしたこともあり、南へ南へと移っていた家探しの目を、いったんもとの中伊豆のほうに向けてみようか、ということに。前々回お話した伊豆北部、南箱根一帯には管理会社が破たんした別荘地などもありましたが、たとえ管理者が変わっても、きちんとした運営をしている別荘地もあるのではないか・・・ 早速、調べてみると、今まで気がつかなかった小さな別荘地があちこちにあるみたい。これらの中に優良物件がないかどうか、再度チェックをはじめることにしたのです。

すると・・・これまでチェックをしていなかった不動産屋さんのHPがいくつか見つかり、思いがけないところにも別荘地があることが判明。別荘地の管理者(管理会社)を調べ、問題のない運営をしているかどうか、また、交通のアクセスは問題ないか、インターネットは使えるか、標高は・・・といった細かなチェックを一つ一つしていたところ、ふと目にとまったのが、沼津市にあるN社さんのHP。伊豆市と伊豆の国市の物件を主に扱っており、案内文もしっかりしていて信頼できそう。

とくに気になる物件があったので、早速電話を差し上げて見ると・・・

残念ながらその物件は他の人と商談中とのこと。がっかりして電話を切ろうとしたとき、電話の主が思いがけないことをおっしゃいました。N社さんのHPをみていて、もう一つ気になっていた物件があったのですが、我々の手の届く範囲にはなく、これは無理だな、と思っていました。ところがその物件が、近々、ナント500万円値下げするというのです!

それは、伊豆箱根鉄道駿豆線の修善寺駅近くの高台にある別荘地の中の物件で、東側には狩野川が見おろし、北側には富士山が見える、というのが売り。立派な石造りの浴槽もあり、そのためにかなり高額な価格がつけられていました。しかし、敷地も広く、母屋も建増をしないまでも十分に広そう。ただ、これでもう少し安ければな~と思っていた矢先のことだったので、ビックリしました。

そして、値下げが間違いないかどうかを何度も確認し、早速その家を見せてもらうことに。しかし、その前に既に伊豆高原のM社Sさんとのお約束を果たさねばなりません。N社さんにご都合をお伺いすると、M社さんとの約束の二日あとに空いている日があるとのこと。一日間をあけただけで、連チャンでの伊豆行きとなるわけで、かなりのハードスケジュール。しかし、こんなに良い話を逃したら、もう二度とチャンスはないぞ!と思い、N社さんの都合がつくというその日に、伊豆行きを決定したのでした。

そして、N社さん物件の視察前のM社さんとの、伊豆めぐりの日・・・

7月3日は日曜日。この日も良いお天気で、もう梅雨も明けたのでは???と思えるような一日。この日は一日かけてできるだけたくさんの物件をみたい、ということで、早朝から、車を飛ばして伊豆高原へ着いたのは9時半すぎ。先日の伊豆行きから東京へ帰り、M社さんが扱っている物件のうち、5~6件を選び、終日Sさんに案内してもらうことにしたのです・・・

その一部始終・・・もこのブログに掲載しようかな~とも思ったのですが、ちょっと冗長になりそうなので少しはしょります。

結論から先に言うと、あまりこれ!という物件もなかったのです。朝からお昼まで3軒、お昼から夕方まで5軒、合計8軒の家を見せてもらいましたが、どうしてもこれでなければ!という決定的な家がなく、へとへとになって東京に帰った二人・・・

ただ、午後一番に見せてもらった家は、伊豆高原よりもさらに南にある「あかざわ恒陽台」という別荘地内にある物件で、これはなかよいものでした。まわりを住宅と竹林に囲まれ、眺望はあまりないのですが、ものすごくしっかりした造りで、内外装材もかなりの高級品が使われており、築年数も10年以下というもの。基礎も「べた基礎」という基礎構造が使われていて、建物自体のコンディションは言うことなし。

「べた基礎」というのは、凸状のコンクリート基礎と基礎の間の中央部分(平たい部分)にもコンクリートが敷きつめてあるもので、いわば建物下の基礎全体がコンクリートでがっちり固めてあるものをさします。古い建築基準では、このべた基礎を推奨しておらず、築20年以上の古い建物の基礎は、たいがい「布基礎」と呼ばれる凸状のコンクリート基礎だけで基礎が造られ、真ん中の平板部分にコンクリートが敷きつめられていないもの。

コンクリートで覆われていない真ん中の部分は当然、むき出しの地面になりますから、湿気の多い場所では地面から直接湿気が上がってきます。この湿気がひどいと、家を傷める原因にもなりかねず、家の寿命を縮める要因にもなります。シロアリなどの巣くいやすい家は布基礎であることも多いのです。前回のブログでご紹介したように、天城高原で最初に見た家も、カビ臭くて床下が腐っているようでしたが、ここも布基礎でした。

べた基礎の家にはもうひとつメリットがあります。従来の布基礎に比べて建物の耐震性に大きく寄与するのです。建物の下部をがっちりコンクリートで固めることによって、万一の地震の際にも、その上に建つ木造部分の震動を抑える効果があります。

この恒陽台の住宅は、築年が新しいこともあって、新建築基準に準じたべた基礎を採用しており、建物内外のコンディションも最上級。二人とも、おおいに気になる物件ではあったのです。

しかし、部屋数が4DKと少なく、それぞれの部屋も小さい。全体的に収納が少ないので収納スペースは、増築によって補う必要がありそう。敷地に余裕があるので、一応、増築は可能のようだけれども、その分費用もかさみそう。伊豆高原の駅からも遠くなるので、買い物などは不便そうだし、ここから東京へ出るには3時間以上はかかるんじゃないか?

ところが、タエさんは意外にお気に召したようで、眺望がないのも気にならないご様子。家の新しさもさることながら、インテリアにも外構にも非常に良い材料が使ってあって、デザインも彼女好みだったようです。ただ、それにつけても、部屋数が少ないことや収納の少なさのことを指摘すると、やはりこの物件でいくのは難しい・・・とも思ったご様子・・・

しかし、これまで色々な家を見て来たなかで、初めて「べた基礎」の家を見たことで、できることならば、湿気や地震対策の上でも、べた基礎の家のほうが有利だな・・・と思いました。

その日もSさんは絶好調で、様々なジョークで二人を楽しませてくれました。お別れする際、赤沢の家が多少気になっていることを伝えると、東京に帰ってじっくり考えて返事をくださいとのこと。それでは、後日連絡差し上ます、ということで、その日はとくにはっきりとした意思表示はせず、解散することに・・・ 

幸せのおまじない

みなさんには子どもの頃、「こういうことが起きたらイイことがある」的な自分だけの“おまじない”がありませんでしたか?

たとえば・・・少し離れた場所から紙くずをゴミ箱に捨てる時「投げたゴミがまっすぐゴミ箱に入ったらイイことがある」。歩いている途中の道に水たまりがあったら「この水たまりを飛んで、濡れることなく上手く飛び越せたらイイことがある」。コワい野良犬に出会った時「逃げずにずっとにらみ続けて、犬の方が目をそらせたらイイことがある」・・・etc.

これらはみんな私の子ども時代のおまじない(の一部)です。今思えば実にたわいのないものばかりですが、その頃はけっこう真剣。もちろん全てが思い通りに行くわけもなく、何回かに一回成功したとしても、その結果「イイこと」が起きたかどうかはサッパリ覚えてないのですから、私にとっては目的よりもそのプロセスの達成感の方が大事だったようです。

大人になった今も似たようなおまじない遊びは続いていて、個人的に気に入っているのは「ふと見上げた空に飛行機雲があったら、今の生き方はイイ感じ(と神さまに祝福されている)」というもの。飛行機雲のほかにも、きれいな月や虹や綺麗な形の雲なんかが見られたりすると、素敵なごほうびをもらったような気がして本当にうれしくなります。

これとは逆に、思いもよらなかったこと(サイン)に遭遇して、予定していたことを変更せざるを得なくなる・・・ということもありますね。

最近の経験でいえば、私達の移住先を探していたそのさなかでのことです。

それはこの夏、引越し先の目星を長野は伊那谷の一軒家にほぼ定め、山口~広島へのショート・トリップへ向かう道中のことだったのですが・・・・・(つづく)

※ 前回の初書き込み以来7カ月ぶりのご無沙汰でした。「ムシャ&タエの…」とタイトルにありながら、すっかり幽霊部員と化しておりました。人並み外れたマイペースの嫁ですけど、これからぼちぼち慣らし運転をしていきたいと思っております。お暇な時にお付き合いくださいね。(た)

天城高原へ

さて、ここまでこのブログにお付き合いいただいた方は、ブログカテゴリーがいつのまにか、「伊那谷日記」から「修善寺日記」に変わっていることに既にお気づきかと思います。

そう、この物語の最終目的地は「修善寺」なのですが、そこへ至るまでにはまだまだ紆余曲折あるのです。なので、もう少しこのストーリーにお付き合いください。

前号からの続き・・・・そう、そして移住先探しの先は、伊豆中央部へと移っていきました。伊豆半島は、一般的に東伊豆、中伊豆、西伊豆、南伊豆の4つの地方に区分されているそうで、あまりにも町中すぎる、として移住先として私が選択から外した三島市や沼津市、函南町は、このうちの中伊豆という区分に入るようです。

中伊豆と呼ばれるこの地域には、このほか伊豆市と伊豆の国市などに小さな別荘地が散在していますが、あまりぱっとした物件もなさそうなので、リサーチは更に東伊豆、南伊豆へと移っていきました。

そこで目にとまったのが、伊豆高原と天城高原です。この二つの高原地帯は、もともと伊豆急行線を保有する東急電鉄とそのグループ会社の東急電鉄、東急不動産といった会社が開発した別荘地です。伊豆地方だけでなく、関東地方にも鉄道を保有しており、かのバブル崩壊でも倒産するようなことはなく、管理する別荘地でも運営に支障がでるなどの問題はとくに出なかったようです。

伊豆の他の別荘地でも、大手建設機械メーカーのコマツ(旧小松製作所)のグループ会社が造った別荘地や、三菱地所や住友不動産などの大手不動産会社や銀行などが造った別荘地がありますが、これらについても現在までのところ大きな破たんのうわさはなく、おおむね運営は安泰のようです。

寄らば大樹の陰・・・ということで、ここはやはり管理体制がしっかりしている別荘地を探そう、ということに気付いたまではよかったのですが、しかしそれでも、ともかく実際の土地を見なければ埒があきません。ともかく、現地に行ってみよう!ということになり、ようやく伊那以来の重い腰を上げる時が来ました。

ただ、行くなら行くで、やはり具体的な物件候補を絞ってから行こう、ということになりました。どこでもいい、ということではなく、できれば伊豆の中でも涼しそうなところ、ということで、まず選んだのは「天城高原」でした。標高1000m近い高所にあるため、そのほかの伊豆のどこよりも夏涼しく、海岸に近い土地よりも気温は2~3度も低い、というのがその理由です。

そして東急グループが管理する「天城高原別荘地」の中にみつけた物件は、床面積はそれほど多くないのですが、敷地にある程度の余裕があり、増築が可能かもしれない、という物件。物件の管理しているのは、伊豆急行線、伊豆高原駅にほど近いM社さんで、地元でも老舗の不動産屋のご様子。早速電話で予約を入れ、その物件と同じ別荘地内でタエさんが選んだ物件の二つをみせてもらうことにしたのです。

6月28日の午後、東京の自宅を出て、厚木小田原道路を経て伊豆高原に着いたのは午後過ぎのこと。気温はやや高めで、30度をちょっと超えていたかも。天気はこの時期にしてはめずらしい晴天で、物件を見せてもらうには絶好の条件です。

約束の時間が迫っていたので、手早く近くのラーメン店でお昼を済ませ(実はこのラーメンやのラーメンは絶品でした。また後日ご紹介しましょう)、すぐ近くの不動産屋さんM社さんへ。

M社は、伊豆高原駅から歩いて十数分の高台の桜並木通りにあります。この桜並木通り近辺は知る人は知る、結構有名な観光地。おしゃれな飲食店や、工房、ブティックのほか、「ねこの博物館」などのプチミュージアムがあちこちにあり、とくに若い人に大人気。M社さんも桜並木沿いに本拠を構えておられ、広々とした敷地に建てられた洋風の明るいお店でした。不動産屋というよりも、どこかのマンションのショールームのようなかんじ。

受付でお約束をしたことを告げ、打ち合わせルームに案内されたやや緊張気味の二人の前に出てこられたSさんは、やや痩せ気味で中背のやさしそうな男性。年齢不詳ですが、気安くお話ができそうなタイプ。笑顔を絶やさない落ち着いた応対をする方で、今日のご案内も彼がしてくれるとのこと。早速、Sさんが運転するプリウスの後ろに乗せてもらい、現地へ向かうことになりました。

M社を出て、まがりくねった山道を山の上のほうへ上のほうへと向かう道中、さりげなく天城高原の様子やら伊豆高原の様子などをお聞きしてみました。それによると、天城高原は東急グループが管理しているリゾートなので、管理体制は非常にしっかりしているとのこと。しかし、最近は新しくここに別荘を建てる人はそれほど多くなく、出て来るのは築後20年以上経った中古物件が多いとか。住んでいる人の高齢化も進んでおり、最寄りの鉄道駅(伊豆高原駅)から30分以上かかることから人気は今ひとつ・・・なのだそうです。

これから目指す目的地について、それを案内する不動産屋さんご自身の口から、あまり人気がない・・・みたいな言葉が出て来るとはビックリ。しかし、何事にも隠しだてせず、率直なものいいで現地の現状について語ってくれるSさんに、二人とも好印象を持ちました。

その日は梅雨中にも関わらず良いお天気でしたが、湿気が多く、外は蒸し風呂状態。外気温は30度を超えています。ところが、プリウスが、まがりくねった道をどんどん山の上のほうへあがって行くにつれ、プリウスの車載温度計の表示も1度、また1度と下がっていきます。ああ、やっぱり涼しいんだーという実感・・・

そして、まずタエさんが選んだ物件に着いたのは、ふもとの町を出てからおよそ30分ほど経過してから。気温は、既に27~28度に下がっています。やはり涼しい!その物件は林間にあり、あまり眺望はよくない別荘でしたが、5LDKと広く、床面積も120m2あるのを気に入り、タエさんが選んだのでした。

物件は、天城高原の最も高いところから東側に下がった林間にあり、かなり入り組んだ地形の中にありました。道路からもさらに谷底に向かうような細い小道をくだったところにあり、まさに森の中の一軒家という雰囲気。涼しそうですが、周囲は何やら暗い雰囲気。Sさんに鍵をあけてもらい、早速内部に入ると、この暑さの中でも中はひんやりとしています。ただ、中に入ったとたん、何やらカビの臭いにおいが・・・しばらくするとさきほどまで、ひんやりと・・・と感じていたのは湿気が多いため、と気がつきました。

ただ、いかにも「別荘」という重厚な造りで、2階から1階を見通せる吹き抜け構造になっている間取りは、なかなかおしゃれ。持ち主さんがまだ現状でも別荘として使われているようで、家具やら生活用品はそのまま。しかし、この湿気の中でよくカビないなーという印象。ふたりであちこち見ていたところ、1階のリビングで何かをチェックしていたご様子のSさんがポツリと一言・・・曰く・・・「ダメだなこりゃ」。

みると、リビングの床の上を何度も体重をかけて踏んでみて、床下の様子を確認していたご様子。聞くと床下の構造材がどうも腐っているようだ、とおっしゃいます。

さきほどまでの車中でも率直なモノの言いようをされる人だなと思っていましたが、自社管理の物件をけなすような言い方で、「ダメ」と言い切るとは・・・

続けてSさん曰く、「湿気が多いんで床下が腐っているんだと思うんですよ。こういう湿気の多い場所に建てた家は床下から腐ってくるんです、床を踏んでみてグニャグニャしているようなら、かなり傷んでいると思って間違いない。こういう物件はあまりお勧めできないですね~」とのことで、長いこと使っていない別荘物件には、こういうのが結構あるそうです。

二人で床を踏んでみると、なるほどグニャッと沈みこむような感じが確認でき、思わず顔を見合わせて、うなずき合うふたり・・・

「カビ臭いんで、早くこ出ましょう。こんなところに長くいたら、肺が悪くなっちゃう。つぎ行きましょ、次!」とSさん。それにしても結構はっきりモノを言う人だなーと、思わずふたたび笑ってしまった二人。

「仕事だから案内させていただいているけれど、それで体を悪くしたらもともこもありませんからね。」というSさんのひょうけた言い方にも再び大笑いした二人でした。

後日Sさんからお聞きしたことですが、Sさんは2年ほど前に、東京で別の仕事をしていたのを辞め、田舎暮らしをしたいという奥さんの希望を入れて伊豆へ来られたとのこと。M社に勤め初めてまだ1年あまりなのだそうです。会社が売り出している物件についても、悪いものは悪い、と平気でお客さんに言うことをポリシーにしている、とのことで、どうもその背景にはM社の人使いの荒さがあるようです。それでもこの仕事を続けておられるのは、人と接することがお好きなためのようで、今日のムシャ&タエとの接客もそれなりに楽しんでおられるご様子。

なかなか良い案内人に出会ったなー、とあとでタエさんともうなずき合ったものでした。

さて、林間の別荘を出て、次の物件へ。この別荘地は敷地面積が1000万m2あるそうで、場所から場所へ移動するのも一苦労。敷地の端から端まで移動するには車で数十分はかかりそうです。

次の物件へ向かう途中、この別荘地の中心的存在の「ホテルハーヴェスト天城高原」に立ち寄ってもらいました。18ホールの立派なゴルフコースを備えたこのホテルは、なかなか立派なもので、二食付き一泊、16,000円〜27,000円とか。富士山を望む比較的高級なリゾートとのことです。

このホテルには隣接して、「天城高原ベコニアガーデン」といった観光施設もあります。広い別荘地の中で食べ物やちょっとした日常品が手に入るのはホテルハーヴェストとこの施設の二つだけとのこと。あとは、ふもとの伊豆高原まで30分以上かけて車で買い出しに行かなければなりません。ふもとの伊豆高原駅までシャトルバスもあるそうですが、有料で片道300円取るとのことで、その費用もばかにはなりません。

ホテルを後にし、ようやく次の物件に到着。この物件は、私ムシャが選んだ物件。現場は、明るい尾根の上にあり、その尾根の上にさらに盛土をしたような高台に建っていました。家の外回りはパステルカラーでおしゃれに塗装されており、リビングの外側にはウッドデッキがしつらえてあって、そこからは富士山も見えるとのこと。あいにくその日は雲がかかっていて見えませんでしたが、富士山が見える、というのが私がこの物件を選んだひとつの理由。前々から富士山の見える家に住みたいと思っていたからです。

敷地はそれほど広くない印象ですが、建物自体はおしゃれで小奇麗なかんじ。早速内部を見せてもらうことに。この家は、土地の傾斜を生かしてスキップフロアになっており、きれいに掃除された3DK。床面積はそれほど大きくはないけれども、プラスで小さなロフトもあって、そこそこ収納も多い様子。おそらく、かなり年配のご夫婦が二人でお住まいになっていたようで、内部のあちこちには手摺が。外部にはその旦那さんが手作りしたと思われる小さな物置小屋もあり、ここに住んでおられたご夫婦の睦まじさが目に見えるようです。

再度、外部に出て、床下などもチェック。大きな問題はないようでしたが、さすがに築30年近く経ていることから、外壁や基礎部分の根太の一部分が腐っているようでした。敷地は北側に向かってやや傾斜しており、平たい部分もあることはあるのですが、増築をするとなると、基礎工事には結構お金がかかりそう・・・

なんでも、ここに住んでいたご夫婦はこの天城高原が大変気に入っていて、ここを売りに出して、現在同じ別荘地内の別の土地を購入し、そこに新しい家を建築中とのこと。人口が減少しているというこの天城高原ですが、こうした交通の便の悪いところを気にいって住みたいという人もいるぐらいだから、きっと良い所なんだろうなーと思いました。

確かに景色もよく、明るい感じでなかなか良い家だな、とは思ったのですが、ただ、いかんせん床面積が小さく、また増築も難しそうなので、我々二人が使うとすると、これはちょっと無理かなーと正直思いました。

伊豆での家探しはまだ始まったばかりだし、初日にすぐに気にいった物件に出会えるとも思っていなかったので、この物件にあまり乗り気でない、といったそぶりはSさんにはみせず、ほどよいところで「今日のところは」ということで、引き揚げたい旨を伝えました。

下山途中、他の別荘も2~3軒ほど外部からだけ見せてもらいましたが、その日はとうとうこれぞ!という物件には出会えず時間切れ。

山を下ってM社に戻り、再度応接ルームに案内された二人に、受付のお嬢さんから、冷たいおしぼりと飲み物、そしてケーキのご提供が。一日暑い中を歩き回ったあとのこのサービスはなかなか心にくいものです。

事務室で何やら探していたSさんが戻ってこられ、手渡してくれたのは本日の物件の資料と他の物件資料。今日の物件の印象を聞かれたので、正直にいまひとつだったことを伝えると、これを予期しておられたようで、曰く、「今度は、一日かけて伊豆のあちこちの物件をみてはどうですか?」とのお申し出が。

その日の応対で、Sさんのお人柄に大変好意をもっていた二人は、このお申し出を快諾。後日再び、伊豆の別荘めぐりをすることにしました。このとき既に私の心の中では、天城高原と伊豆高原はないな・・・とどこかで思っていたものの、今度来れば、もっと良い物件にめぐりあえるかもしれない・・・という期待も半分。しかしそれが空振りに終わるとはこのときはまだ考えてもいませんでした・・・(続く)

再びの家探し

富士山が見える家に住めたらいいな・・・

広島・山口へのショートトリップを終えて、東京へ帰って来た二人。また新たに家探しを始めるのか~と少々うんざり感がありましたが、気を取り直して、Sさんにアドバイスされた「南西方向」にある物件についてのリサーチを始めました。

伊那の家については、管理する不動産屋さんにお詫びを申し上げて、購入を辞退することに。不動産とは「水もの」と言われるように、こうしたキャンセルは日常のようなことなのでしょう。社長さんはいやな顔ひとつせずに、了承してくださいました。

さて、多摩地方から南西方向にある土地といえば、伊豆や箱根観光地が真っ先に思い浮かびますが、そのほかにも、御殿場や沼津、三島といった、どちらかといえば町中の土地もあります。それぞれの土地にそれなりのよさはあるでしょうが、逆にマイナスの要素もあるはず。これらの中からどこを選ぶか、については自分達の希望する条件をまず整理することから始めました。そして、まとまった条件は以下のようなもの。

・夏でも快適に暮らせるよう、ある程度涼しいところ。
・東京都内には、少なくとも2~3時間で出られること。
・バス、電車などの交通機関が近くにあって、利用できるところ。
・建物は、できれば4LDK以上と大きいこと。
・湿気が少ないこと。
・できるだけ眺めが良いこと。できれば富士山でも見えるといいな・・・

「4LDK以上」は、二人で住むにしてはちょっと大きすぎるのでは、とお考えの方もいるでしょうが、我々二人の共通点として、書籍や書類を大量に所持していることがあり、これらの収納スペースを確保することと、来年以降、大学生となる息子君が返って来た時の部屋の確保、というようなことを考えると、やはり必要だな、という見解でした。

そして、ネットを駆使していろんな物件漁りをはじめたところ、以下のような候補地が浮かびあがってきました。

・芦ノ湖高原(神奈川県と静岡県の境界付近)
・十里木高原(富士山南東部、静岡県)
・南箱根(函南町と伊豆の国市境界付近、静岡県)
・伊豆高原(伊豆東部、伊東市の南、静岡県)
・天城高原(伊豆中部、静岡県)

これらの場所の周辺には、熱海や伊東、湯河原といった有名な温泉町もありますが、標高が低く、夏は暑そう、ということで除外しました。また、箱根は極めて物件数が少なく、というよりも高級別荘地が多く、我々の手の届く範囲ではなさそうなので、これも除外。三島や沼津、小山町、函南町などの市街、もしくは市街に近い土地は、標高もあまり高くなく、わりと住宅が建てこんでいて、せっかく移住するのに、また住宅地じゃあなーということでこれも除外。そのほか、下田や熱川などの伊豆南部も考えましたが、高原地帯が少なく、なにせ東京から遠い・・・下田からだと、東京まで4~5時間もかかるのではないでしょうか。

候補に残った土地のうち、芦ノ湖高原や十里高原は、富士山周辺に作られたリゾート地であり、人気も高く、ネットで調べるとなかなか魅力的の物件もありました。しかし、他の地域に比べると実際に購入できる物件数が少なく、なかなか決定打が出ません。また、芦ノ湖高原はかなり標高が高く、涼しいことは涼しいけれど、駿河湾から吹き上げてくる風が心配でしたし、十里木高原も良いところのようでしたが、アクセスが悪く、雨が多く、一年を通して湿気が多い、という情報もあり、やめることに。

雨の多さや湿気については家探しにおいて、やはり気になるところです。今回の物件探しにあたっても、気になったので色々調べてみましたが、富士山南部から南西部にかけての地域は、富士山ぶつかって上昇する気流の関係から雨が多いそうで、御殿場や裾野市、十里木高原での雨量は静岡県内でもかなりの量にのぼるようです。芦ノ湖高原のある三島は、雨量はそれほど多くないようですが、標高が1000m近い山の上になるため、やはり風の問題があり、夏は涼しいかもしれないが、冬は逆に寒さが気になるところ。

それでもあきらめずに、これら富士山に近い土地柄で売りに出ている物件を色々あたってみましたが、数もそれほど多くなく、気になる物件もなかなか出てこないので、ついにはこの地域については断念することにしました。

そして、残る伊豆の三地域です。このうち伊豆北部と伊豆高原は、不動産物件が多い地域です。とくに伊豆北部の函南町と伊豆の国市付近の、いわゆる「南箱根」と呼ばれる地域には、バブルの頃に建てられた別荘がゴマンとあり、ネットで不動産情報を探すと、これらの別荘地情報であふれていました。

富士山や駿河湾が一望できる景色の良い場所に建てられた別荘地も多く、建てた当時はかなりのお金がかかっただろうな~という物件も少なくありません。伊豆箱根鉄道や東海道線などの各駅に近いために交通の便もよく、価格も手ごろのものも多いので、これらの別荘地の中から選ぼう!と思い始めたころ・・・

・・・とある情報が目に入りました。

・・・その情報とは、これらの別荘地のいくつかは、管理会社がバブル崩壊と同時に倒産し、敷地内の道路や水道などのインフラの管理が行き届かなくなっている、というものでした。管理会社が倒産したため、道路が傷んでいたり、路肩が崩れていたりといった箇所の修復がままならず、また側溝に貯まった落葉の処理が進まない、水道管や下水道管の老朽化の問題・・・など色々な問題が起こっているというのです。

最も深刻だなと思ったのは水の問題。と、ある別荘地では、別荘地内近くの井戸水をくみ上げて管理会社が供給していますが、その水の値段が周辺の市町村で供給されている公共水道よりもはるかに高い価格になっている、というものでした。もともとの管理会社が倒産してしまった、ある別荘地では、修復別荘地内に住む住民が結集して新たに組合を作り、ここが主体となって別荘地内の道路や上下水道の管理を始めました。しかし、別荘地の管理に関してはやはり素人集団。この組合の運営をめぐって住民とのトラブルが発生し、裁判沙汰にまで発展しているとか。

バブル崩壊から20年以上経過していますから、地中に埋まっている水道管や下水道管の老朽化もこれからどんどん進んでいくと思われます。南箱根の別荘地すべての管理会社が倒産しているわけではありませんが、別荘地を造った大手の不動産会社や建設会社の中には、別荘地を維持していくことがかなりの負担になっているところも多いようです。道路や上下水道の管理を周辺の自治体に委譲したがっているところもある、というような情報も出て来ました。

私が調べたところ、とくに問題になっている別荘地では(ここに住んでいらっしゃる方へも配慮して、どこの別荘地かはここでは明かしませんが・・・)、多くの別荘が「ダンピング」状態で売りに出ているものも少なくなく、このため、不動産価格が著しく下落しているようです。何も知らないで買った人は、入居してみて水道料金の高さや、道路などの維持管理の悪さに気付くのです。上下水道の将来的なメンテナンスに関しても不安材料となります。

風光明美な土地で温泉も出る、といった魅力的な場所でも、そこを維持していくためのインフラが整っていなければ、安心して住むことはできません。

そういうわけで、伊豆北部のこれらの別荘地の物件は、魅力的なものも少なくなかったのですが、それを管理する管理会社や管理組合のことも調べて見て、これはちょっと、と思われるものは除外することにしました。

そうすると、あれほど魅力的な物件が多かったこの地域の物件で、これを見てみよう、というものはほとんどなくなってしまいました。ここに至るまでに、伊豆や静岡県内の少なくとも30社以上の情報をみてきましたが、不動産会社の中には、こうした問題のある別荘地の物件ばかりを紹介しているところすらあります。問題のなさそうな別荘地を中心に物件を紹介している会社でも、問題のありそうな別荘地物件が含まれていることもあり、しかも、それをほめちぎっているような不動産会社は敬遠することにしました。(・・・続く) 

南西へ・・・

信州一の名古刹 諏訪大社 この地に住むはずだったのだが・・・・・

「引越先探しの顛末・・・のその後」のその後です。

カードをめくり、いつものように霊視をされていたSさん・・・ 引越先をめぐっては、伊那の家を入手したいがどうか・・・?との我々の質問に対して、重い口調で出て来た答えの内容は次のようなものでした。

「家と住む人の「気」が合っていない。住んでいるうちにあっちこっちに手をいれながらすむようになるかもしれないし、別のところにまた引越したくなるかもしれない。」

そして、

「この家は本当は住まないほうがよい。ただ、もしどうしても買うのなら、家と土地を守っている氏神様、とくに商売をするならば稲荷神社にお参りをした方が良い。」

とのこと。続けて、「蔵に呼ばれたのかな~(この家に惹きつけられたのは蔵のせいかな~)」

とも。確かにあの家でもっとも気になっていたのは蔵だったし、そのほかにも住むためにはあちこち、手入れをする必要があり、結構お金がかかりそうだなー、とも思っていたので内心ぎくり。

さらに、Sさん曰く、

「(二人とも)この家を買うことに、納得しよう、納得しようとしすぎているかんじがする。確かに家そのものは金色のエネルギーで満ち溢れていて、地のエネルギーも強いものがある(すなわち、格が高い)。ただ、住み手となるあなた方のエネルギーと合っていないので、下手をすると家と土地のエネルギーに「食われ」てしまうおそれがあります。」

うーむ・・・ かなり長い間家探しを続けてきて、少々うんざり気分になっていたところでもあり、ようやく巡り合った有力物件に対して、二人とも納得しようしようと、していたかも。

家と土地のエネルギーが強い・・・というのも、言われてみると、なんとなくそんな気がしてきました。本当は必要のない蔵まで付いていて、今の二人の身分にとってはふさわしくないのかも。

そして、もうひとつ思い当たったのは、この家の前の持ち主さんのこと・・・ 実は、この家を入手するにあたり、この家の権利に関する詳しい不動産情報を、案内していただいていた不動産屋さんから入手していたのですが、その情報と不動産屋さんのお話を総合すると、この家の前の持ち主さんは代々この家を守って来た大きな農家の末裔で、とある建設会社の役員までされていたそうです。ところが、何年か前にバブルが崩壊したためでしょうか・・・破産宣告を受け、それでこの家を手放すことになったようなのです。競売に出ていたこの家を案内してくれた不動産屋さんが手に入れ、多少の手直しをして、売りに出した・・・ということ。

・・・ということは、前の家の持ち主さんも、この家と土地のエネルギーに負けて「食われ」てしまったということなのか・・・!?

Sさんの口から出て来たこのお話。本当は、この家は大丈夫、ふたりにぴったりです!とでも言ってもらえるかと思っていたので、それとは正反対のお答えを聞いて一瞬頭が真っ白になりました。

苦労して探してきた家をあきらめてまた、ふたたび家探しの旅に出る・・・!?正直そんな元気はありませんでしたが、これまでもいろんな「予言」を的中させてきたSさんのこと。このアドバイスも真剣に受け止めなければならないんだろうな・・・と少し落ち着いて考えるとそう思えるようになってきました。

そして、気をとりなおして、それじゃあ、今後どうしたらいいんでしょうか・・・とおそるおそるの質問に対してSさんは・・・

「長野はよくないようです。別の家を探すならば、南西のほうがいいでしょう。「灯台もと暗し」と出ている。身近なところに良い話がころがっているのではないか。地元の工務店など(家を実際に作った人など)に聞くなどすると、より質の高い情報を入手できるでしょう。」

とのこと。「南西」というと、今住んでいる東京の多摩地方からみると、伊豆とか箱根方面になります。なので、御殿場とか、三島、箱根あたりのことをおっしゃっているのかな・・・と聞くと、

「南西の方向・・・ 三島、御殿場、箱根・・・いずれも良い。「7」という数字が出て来るので、7週間後か、7月中か、7カ月後に次の家がみつかるのではないでしょうか。」

さらに、「今売りに出している家についても、7月にもしかしたら売れるかもしれない・・・」とのこと。

「今売りだしている家」、というのは、先妻と一緒に建てた家のことです。今はマンション住まいのムシャ&タエなのですが、今の家に住む前に、この家には10年あまりの間住んでいました。思い出深い家だったのですが、タエさんと再婚後気分を一新するため、これを売却することにし、昨年、リフォームをかけて売りに出していたのです。しかしこの不況の中、なかなか売れなくて困っていたのですが、長いこと売れなかったこの家がもうすぐ売れる!???・・・

にわかに信じがたいようなお話ばかりだったのですが、しかしこの時、Sさんが予言されたことは、このあと、ほとんどが現実になっていくのです。無論、このときはそんなことがあろうとは、全然予想もできませんでした。

Sさんは、さらに、「南西の方向に住む家を変えたら、仕事は全体的に幅広くやれるようになる。南西を拠点にするのはとても良い!」ともおっしゃいました。ともかく、南西方向を探せ、仕事の面でも南西方向が良い、縁起の良い土地柄が必ずある、ということのようなのです。

こうして・・・伊那が引越先としてふさわしいかどうか、という命題に対してひととおりのアドバイス(・・・というか私たちにとってはもう「結論」でしたが・・・)を得ましたが、その日はそのあとも、父や先妻など亡くなった人達のことや、今後の仕事のことなど、いろいろお尋ねしました。が、それらのことは、また、別の日にお話しすることにしましょう。

ちなみに、Sさんには相手のオーラの色を見ることもできる方なので、今のオーラの色を聞いてみると、

タエさんは・・・薄いピンク色、紫色の入ったラベンダーのような色(白も入っている)。天界に近い色なので、メッセージを受けやすくなっている。何かを試す時の色。いろんなものに結果を出すために、いろんなことをやるべきだ、とのこと。

ムシャは・・・赤色がある。今、そろそろマグマが発色しはじめている時(仕事に関すること?) 胸のほうに緑色があるので今は癒しが必要。黄色もある。人を引っ張っていく色である。

とのことでした。さらに、ムシャは・・・やりたいことがあるが、それを実行できていないいらだちがある。守りに入らなくてよい。自分がこうだとおもったらやれば良い。というアドバイスも。

家探しに没頭していて、なかなか本来の仕事に戻れないいらだちが現状としてあるのは確かなので、またしても心の中を見られたようでギクリ・・・

それにしても、いつものことながら、Sさんの能力は目をみはるものがある・・・帰ったら早速、南西方向の物件を探し始めて見よう、と帰りの車の中で話し合ったムシャ&タエなのでした・・・